佐々木蔵之介(48)の父で、京都の佐々木酒造会長の佐々木勝也(ささき・かつや)さんが10日、胃がんのため死去した。83歳だった。通夜は13日午後6時、葬儀・告別式は14日午後1時から京都市南区西九条池ノ内町60、公益社南ブライトホールで行われる。喪主は同社社長で三男の晃(あきら)氏。佐々木は勝也さんの最期をみとることができたという。所属事務所は「社葬になるのでコメントを出す予定はありません」としたが、通夜、葬儀・告別式に参列する。5年前の日野自動車CMや、バラエティー番組などで共演するなど仲の良い親子として知られていた。

 佐々木酒造は創業123年の老舗。兄が建築の道に進んだため、次男の佐々木は後を継ぐため東京農大農学部に進み、その後、神戸大農学部に編入、酒米を研究した。しかし所属した演劇部で芝居の魅力に取りつかれた。卒業後に広告代理店に就職したが2年半で退社して俳優の道を選んだ。

 勝也さんは思わぬ行動に「道を誤った」とがっかりしたが、俳優を志したきっかけをつくったのも勝也さんだった。自分が人前で話すことが苦手で、商売のためにもそうなってほしくないと日ごろ息子たちに話していた。父の思いに背中を押される形で佐々木が始めたのが演劇だった。

 芸名を名付けたのも勝也さん。演劇部時代に「酒蔵」と「大石内蔵助」から「蔵之介」を提案され、佐々木もこれを気に入った。NHK連続テレビ小説「オードリー」などで人気を得た時、最も喜んだのも勝也さんだった。