NHK経営委員会は6日、NHK次期会長に元三菱商事副社長で、常勤経営委員の上田良一氏(67)を全会一致で選出し、東京・渋谷の同局で会見を行った。上田氏は12人いる経営委員のうち唯一の常勤。籾井勝人会長(73)は来年1月24日で退任し、翌25日に上田氏が会長に就任する。

 会見に臨んだ上田氏は「信頼される公共放送としての役割をしっかり果たしたい。大事な受信料。効率的な経営は避けて通れない。お役に立ちたい」と語った。選ばれた理由の1つは局内外から信頼される人柄という。報道陣から籾井会長より人望があると思うかと問われると「周りの方が判断すること。与えられた職責に誠実に取り組むことが私の生き方」と語った。

 籾井会長は、SMAPの紅白歌合戦出場に向け直接出馬する意欲も示した。上田氏は「立派な職員がいて努力している。そういう人の努力を見守り、大事にしたい」とした。

 ◆上田良一(うえだ・りょういち)1949年(昭24)5月23日、長崎県生まれ。73年3月に一橋大卒業後、同4月に三菱商事に入社。06年米国三菱商事会社社長、10年には三菱商事副社長に就任。13年6月からはNHKの常勤経営委員に就任し、同7月に監査委員も兼務。趣味は登山と自然を求めての旅行。