芸能生活60周年を迎えた女優の十朱幸代(74)が一人芝居に挑む。

 5年ぶりの再演となる「キャサリン・ヘプバーン-夢の請負人」で、1日、都内で発表された。前回は足のケガからの復帰作となった因縁の舞台。十朱は「最近、舞台に上がる度にこれが最後かもしれない、との思いがあります。公演の9日間は気力と体力の勝負だと思っています」という。

 アカデミー賞4度の名女優の私生活と本音に迫る作品。「女優としてはピンとキリ。すごく自信のある人だったし、私はこれだけ経験を積んでも自信がない。でも、同じ職業だからスクリーンとプライベートのギャップの大きさはよく分かる。5年前はやっていて快適だった。勢いでやったところがあるいけど、今回は繊細さも出したい」。

 5年前も演出を担当した鵜山仁氏(64)が「ヘプバーンはバイタリティーがあるし、十朱さんはきっぷがいい。おふたりをよく知っているわけではないが似ていると思う。一人芝居といってもそこには2人の大女優がいる。舞台では映し鏡のように十朱さんの女優人生もさらけだされると思う」と意欲を語ると、十朱は「怖いワー」と苦笑した。

 公演は7月1日から9日、東京・銀座の博品館で。