女優板谷由夏(42)が、「フォトグラフ51」(来年4月、東京芸術劇場シアターウエスト)で初舞台を踏むことが14日、分かった。ニコール・キッドマン(50)主演で、15年に英国で上演。ひたむきに研究に打ち込み、若くして病死した女性科学者を演じる。99年の女優デビューから19年。初舞台で初主演を果たす。

 たまたま、仕事では舞台に縁がなかったが、プライベートではよく劇場に足を運ぶ。先日は三谷幸喜氏作品「子供の事情」を観賞した。女優業19年での初舞台に「ご縁ですね」と感慨深げに言った。

 「19年で初舞台、という言葉だけ考えると、とんでもない事柄が42歳にしてきたな、という気持ちが正直ありますね」

 世紀の大発見をするも同僚に写真データを盗まれ、ノーベル賞を受賞することなく、人知れず37歳で病死した実在の英女性科学者の生涯を描く。共感を覚える部分もある。「文献を読むと、ノーベル賞を逃したことをうらんでもいない。やりたいことをやったから、と言える強さが、女性としてすごく好き。そういう要素は持っていたいです」。

 女優業のかたわら、日本テレビ系報道番組「NEWS ZERO」にキャスターとして07年から出演。端的なコメントから、芯の強さが主人公と重なって見える。「よくそうおっしゃっていただくんですが、ブレブレじゃないですか? あまり自信はないんですよね」。冷静に自己分析する一方、重なる部分を挙げた。「(演じる)ロザリンドは物事に集中している気持ち良さを追求する人。私も集中することが好きです」。

 プライベートでは07年、スタイリストの男性と結婚し2児の母親になった。「家族が増え、自分のことだけ考えればいい、ということではなくなったこの10年、年齢を重ねて思うのは、いかにド集中できた時があるかということ。今回、集中できる時間が2時間もあると思うと、ぜいたくで鳥肌が立ちます」。仕事と家庭の両立は「いっぱいいっぱいですよ」と言いながらも、仕事中の集中力をより大切にするようになった。