結成40周年を迎えたフュージョンバンド、ナニワエキスプレスのベース・清水興(60)が3日、大阪市北区の日刊スポーツを訪れ、東阪での記念ライブをPRした。81年のメンバー編成以降、不動の5人で活動を続けてきた。80年代には日本を代表するフュージョンバンドとしてライブシーンを席巻、そのパフォーマンスは今も衰えを知らない。「メンバー全員、健康であることがありがたい。耳は遠くなってきたけど、長いことやっていると言わなくてもお互いに分かる、ならではのバイブスがある」と笑顔を見せた。

 熱狂的なプロ野球タイガースファンであり、バスケットも愛する。85年に阪神がリーグ優勝を決めた夜は、舞台となった神宮球場隣の日本青年館でコンサートを開催していた。「ライブの後に、球場を見下ろせる場所で届いた酒を全部あけて大騒ぎ。昨日のことのように覚えている」。03年にはタイガース公認応援歌「嵐は西から」に参加。09年にはbjリーグ大阪エヴェッサのエンタテインメントディレクターに就任して応援歌を提供するなど、スポーツとの関わりも深い。「スポーツの魅力は、駆け引きを感じるスリル。よりコンペティティブ。一方で音楽は基本的に1人で創る作業。自分の中への旅」と対照的だと説明するが、どちらも「気持ちのトレードで成り立つ」。オーディエンスの魂を揺さぶり、熱狂や感動を分かち合う。

 一時解散後の自身30代(90年代)は米国での活動が中心。「リズムアンドブルースの本場で音楽に触れることで、自分の好きな音楽、ルーツみたいなものが分かった」。ニューヨーク・アポロシアターで行われるプロへの登竜門といわれるイベント「アマチュアナイト」で優勝したとき、米国での本格的な活動への誘いもあったという。しかし日本での活動を選び、帰国して02年に完全復活した。「若い頃はかんかんがくがく曲作りをしていた。今はギラギラしたアイデアはないが、元気な新しい作品をたくらんでいる」。日本と世界で経験を積み、年齢を重ねたからこそ奏で得る音があるとすれば、ナニワエキスプレスのライブに期待したい。

 40周年記念ツアーは26日にビルボードライブ大阪で、11月2日にビルボードライブ東京で各2回公演。詳しくは公式サイト(http://www.naniwaexp.com/)を参照。