劇団四季研究所を卒業した異色の経歴を持つ演歌歌手真木柚布子(59)が20日、東京・渋谷区文化総合センターで特別公演を行った。

 2部構成で、1部ではミュージカル風の一人芝居で反戦の思いを伝える「知覧のホタル」を熱演し、2部では新曲「ホタルの恋」などを歌唱する歌謡ショーになっている。

 鹿児島県の知覧から出撃した若き特攻兵の実話をモチーフにした芝居では、16歳の女学生から87歳の老婦人までを見事に演じた。「衣装替えは8回。セリフの鹿児島弁はイントネーションが難しかったです。でも、最近は日常の会話が鹿児島弁でなまるようになった」と言うほど、戦時の鹿児島弁を完璧にマスターした。芝居には「戦争は悲劇しか生まない」というメッセージを込めたという。

 映画「エデンの海」(76年)に出演して女優として活躍した後、89年に「いのち花」で歌手デビュー。その後も女優として培った表現力でファンを魅了してきた。「これからもお芝居と歌の両方をやっていきます。それが私の持ち味です」と笑顔で話した。