次々期NHK連続テレビ小説「まんぷく」(10月1日スタート)は、“朝ドラ史上初のママさんヒロイン”安藤サクラ(31)に決定。ドラマ制作統括の真鍋斎氏(50)は、決め手を「高い演技力と、あふれる人間味。女性らしいやわらかさ」とあげた。

 今作は、インスタントラーメンを世に送り出した日清食品創業者の安藤百福(ももふく)仁子(まさこ)夫妻をモデルにした「敗者復活の物語」。人生の晩年以降の活躍が顕著で、ヒロイン今井福子も「30代以降の設定が長くなる」ため、演技力重視でキャスティングを進めていた。

 比較的、オーディション選考が多いNHK大阪放送局制作の朝ドラでは、13年後期「ごちそうさん」の杏以来のキャスティング。安藤について「魅力的なお芝居をされるし、人や物事に素直に興味を持たれ、示される人間味もヒロイン像にぴったり」とし、10月初旬にオファー。すぐの返事はなかったが「誠実にお話をさせていただいて、ご判断を待つしかなかった」と言い、11月に受諾の返答をもらった。

 NHKでは「働き方」改革で、今作の次のヒロインが先に発表されるなど、長丁場収録の朝ドラも前倒しでの作業が進む。

 今回、ヒロイン決定までの流れは例年通りだが、ヒロインの安藤は、これまで大阪局制作に多いオーディションでの抜てきと違い、演技経験は豊富で、もともと演技力にも定評がある。5月予定のクランクインまでの作業も「2~3週間ずつ、前倒しでいけたら」とも明かした。

 安藤には「大筋でいえば安藤さんも主婦ですし、事前に準備していただくのは大阪弁ぐらいでしょうか」と全幅の信頼を置き、方言指導の体制も整えて待つ。

 安藤自身も「朝ドラじゃなければ受けられていなかったかも」と漏らし「働き方改革(の影響)も(受諾決断に)大きかったですね」と感謝する。

 安藤の朝ドラ出演は11年「おひさま」以来、2度目。安藤は「少しの出演だけでしたが、すごく魅力的な現場でした。それを今回(ヒロインで)がっつり味わえる。女優としても、人としても、お母ちゃんとしても! すごく幸せなこと」と期待感を高める。

 NHK側は、過去に例がない子供を持つ主力ヒロインにも「スタッフも含め、みんなで協力していく。最善の方法を今、考えている」とした。

 また、真鍋氏は「たまにはスタジオに娘さんも連れてきてもらって、みんなでかわいがるってこともあるかもしれませんね」と話していた。