俳優の北村総一朗(82)が、24日に心不全のため亡くなった俳優の左とん平(本名肥田木通弘=ひだき・みちひろ)さんを悼み、舞台出演オファーを断った後悔をつづった。

 北村は26日、ブログを更新。昨年6月に急性心筋梗塞のため緊急入院して以来、闘病を続けていたとん平さんの訃報に触れ、「とん平さん。やはり逝ってしまったんですね」と書き出した。

 とん平さんとの共演を振り返り、「明治座公演『黒革の手帳』で初めて御一緒させて頂いた私は、あなたの力の抜けた自然な演技とその愛くるしい存在感に、何時も嫉妬していました。知っていましたか」と問いかけるようにつづった北村。

 自身は13年に前立腺がんが判明して全摘手術を受けたが、「その後、あなたからの舞台のお誘いを、術後の体調を理由に断腸の思いで断りましたね。今、私はまるで後悔を引き連れて生きている様です」と辛い胸中を吐露した。

 北村は「たばこを止めて声が出るようになったよと、花咲じいさんのように滋味に満ちた顔で喜んでいたあなた」と、とん平さんとの思い出を振り返り、「あのどうしても憎めない辛苦をなめた男の色気は、僕の中ではっきり生き続けています。まだ会えそうな気がします」とつづった。