人間国宝だった父の故桂米朝さん(享年89)が、マネジャーとともに立ち上げた「米朝事務所」の社長に就任した上方落語家、桂米団治(59)が26日、大阪市内で就任会見を開き、席上で桂文枝会長(74)の退任表明があった上方落語協会会長選については、万一、選任されても辞退する意向を明かした。

 この日午前、大阪市北区の天満天神繁昌亭で、協会員による総会があり、今年の会長候補選は4月26日に開催すると決定。その総会の中で、03年から歴代最長8期目に入っている文枝会長が、前言通りに、次期会長選を「辞退」すると表明していた。

 米団治は「会長選は4月にありますけど、僕には入らないと思います。今は米朝事務所の代表に就いて、専念をしたいので、会長職は万一、選任となっても、ご辞退させていただくと思います」と話した。

 父の米朝さんは戦後、20人にも満たなかった上方落語を、6代目笑福亭松鶴さん、3代目桂春団治さん、5代目桂文枝さん(いずれも故人)とともに「上方四天王」として、復興させた功労者だが、四天王の中でただ1人、会長職に就いていない。

 文枝会長の世代から、若返りが図られるとすれば、米団治の世代が最適で、その世代の“代表格”ではあるものの、米団治は「社長職」に就いたばかりで、事務所運営への労力から、辞退をするという。

 報道陣から「社長には就いても、会長には就かない?」と問われ「あ、そうですね。はい」と苦笑。続けて「文枝会長にも(社長職専念の意向を)チラッと伝えています」と話していた。