武田梨奈(26)が31日、都内のシネ・リーブル池袋で行われた主演映画「三十路女はロマンチックな夢を見るか?」(山岸謙太郎監督)初日舞台あいさつの壇上で、「髪をつけ足した」と言い、久保田悠来(36)、酒井美紀(40)ら共演者と観客を驚かせた。

 武田は劇中で、彼氏なし、仕事も単調で20代を終わろうとする中、親友の寿退社にショックを受ける那奈を演じた。三十路(みそじ)前夜に1人暮らしの家に戻ると、久保田と酒井らが演じる銀行強盗に拉致され、一緒に逃亡劇を強いられる役どころだ。撮影は1年以上前に行われ、当時25歳だったため、三十路(みそじ)に向かわんとする女性の心情が、なかなか理解できず苦悩したという。

 武田は「演じるのがプレッシャー…三十路(みそじ)の女性の気持ちに、いけていない自分がいたので、監督に相談した。監督は『三十路(みそじ)の手前の人に演じて欲しい』とおっしゃったので、想像したり自分の不安を演技に込めた。メークとか結構、こだわって…劇中で前髪パッツン(の髪形)なんですけど、髪の毛を追加したりした」と撮影当時を振り返った。「髪の毛を追加?」という疑問の声が出る中、自分で「エクステ」と思い出して口にして、苦笑した。

 武田は07年に映画「こわい童謡」で女優デビューして以降、地道に映画への出演を続け、09年の映画「ハイキック・ガール!」のアクションで期待の若手アクション女優として世界的に認知された。そして頭突きでの瓦割りを披露した14年のセゾンカードのCMで、国内での知名度も一気に上げた。映画に軸足を置いて活動していきたいという気持ちが強く、日本、米国、インド合作映画「Shambhala-シャンバラ-」にも主演。14日から国内で行われた撮影を終え、この日の舞台あいさつに駆け付けていた。

 一方で、主演映画の公開は16年7月公開の映画「海すずめ」以来、1年8カ月ぶりで「久々の映画館の舞台あいさつなので、すごく緊張しています」と本音も吐露。11年12月公開の映画「八月のラヴソング」以来の映画となる酒井が「私も久々の舞台あいさつ…緊張しております」と言うと笑みを交わし合った。

 武田は舞台あいさつの最後に、映画への熱い思いを訴えた。

 武田 何より時間をつくって、お金を使って劇場に来てくれた、お客様に本当に本当に感謝の気持ちでいっぱいです。私の夢は、ずっと、こういう映画館の舞台で舞台あいさつをして、私の映画が流れることでした。今は、かなえられてはいるんですけど、まだまだ…死ぬまでこういうことを続けていきたいなと思う。

 この日は共演の秋吉織栄(31)、主題歌「Aqua」を歌うJulietも登壇した。【村上幸将】