俳優で歌手の加山雄三(80)が2日、東京・羽田空港で、1日夜、静岡県西伊豆町の安良里(あらり)港内で、所有するクルーザー「光進丸」(104トン、全長25メートル)が炎上した騒動について会見を開いた。加山は船の名を取った歌「光進丸」を歌い続けるかと聞かれ「歌いますよ…光進丸のためにも」と断言した。主な一問一答は、以下の通り。

 -今の思いは

 加山 頭が大混乱…いつも、つらくなって精神的に追い込まれた時、温かく迎えてくれて僕をいやしてくれた。非常に深い相棒です。相棒を失った…つらいです。

 -今すぐ、光進丸のもとに駆け付けたい?

 その気持ちはありますけども、邪魔するよりも本当にご心配くださっている皆さんに、私が行ってしまうとご迷惑がかかりますので、ここで、お話しさせていただきます。私が、しっかりしないといけないんですけど…人生一緒に歩いてきた船がなくなったのは、本当につらい。安全の検査も通していたのに…なぜ? という気持ち。何代も続き、一緒に海洋合宿もやったり、小さい時からの思い出は山ほど…情けない。

 -最後に乗ったのは

 加山 2週間以上前。とにかく忙しがしかったもんで。

 -光進丸で生活はしていた?

 加山 生活は出来ないことはないですが、休みで癒やしに行く時だけですね。休みは取れて…長くて3日ですかね。夏場は、少し時間が取れれば航海に行っていたんですが…思い出したくもないですね。

 -近々、乗る予定はあった?

 加山 ありました…もちろん。ゴールデンウィーク明けに、海が静かになった方にいろいろな方に来ていただく計画を毎年、立てていたのが今年もあったんですけど。

 -光進丸はいつ買った?

 加山 買ったんではない。私自身が考え、自分で設計し…我が子のように作り上げてきたので。

 -原因は

 加山 言えません。私自身、心当たりはありませんし。

 -光進丸の様子を見る人は?

 加山 当然、港場ですから。メンテナンスは時々、してもらっていました。特に出航前ですかね。

 -港から離れて停泊していた理由は?

 加山 港というのは…あの湾が、全て港なんです。漁港ですし、沖にちゃんと停まれる場所も確保していただいて、非常に安全な場所です。

 -お金に替えられないと思うが、3代目の光進丸には、いくらくらいかかっている?

 加山 コメントを控えさせていただきます。

 -船の中で作曲したとのこと。楽器は積んでいたか?

 加山 楽器は積んでいます…ギターも、エレキも、キーボードも。作った曲は、たくさんあります。

 -大切な光進丸への思い

 加山 申し訳ない…感謝の気持ち。よく頑張って、今まで、我々に幸せを与えてくれたなという気持ちでいっぱい。

 -次の船の可能性は

 加山 そんなこと、答えられませんよ。

 -「光進丸」という曲は

 加山 僕は、歌いますよ…光進丸のためにも。

 つらい中、今後をどう歩む?

 加山 とにかく前を向いて、心して…人生は試練がいろいろあると思うんで、こんなことでめげないで、ご迷惑をおかけしたことをお詫びしながら、前を向いて頑張っていきたい…夢は捨てていません。

 -光進丸にかけたい言葉は

 加山 ありがとう…よく頑張ったね。

 加山は約25分、語り続け、沈痛な面持ちで会見場を後にした。