松田龍平(34)主演映画「泣き虫しょったんの奇跡」(今年秋公開、豊田利晃監督)のヒット祈願イベントを取材した。

 棋士・瀬川晶司五段の自伝的小説が原作で、松田とともに、主人公のライバルで親友役のRADWIMPS野田洋次郎(32)も出席した。

 野田を間近で見たのは、RADWIMPSが初出場した一昨年のNHK紅白歌合戦のリハーサル以来。直接話を聞くタイミングはなく、リハーサルを見るだけの取材だった。限られた時間で行われるリハーサルだけに、集中する野田の表情は真剣そのものだった。その後、ある件でコメントを依頼したことがあったが、時間が迫っていた上、野田に他の仕事がすでに入っていたことから、こちらが断念したこともあった。ひと言もらえればありがいんだけどな…と、当時グチが出そうになったが、逆に簡単にコメントを出さず、何事にも向き合う真面目な人かもしれないと思った。

 今回のイベントでは、司会者の質問に対し、穏やかな口調で丁寧に答えていた。松田から「才能があふれ出ている」とほめられると、「いいかげんにしろよ」と照れながらも「恥ずかしかったです」と、素直な感想を口にした

 歌手としては近寄りがたいほどの才能にあふれた職人気質がある人、と勝手に思い込んでいたが、聞かれたことに奇をてらわず、率直に答える。俳優の仕事で垣間見た顔に、興味とともに好感を持った。そして、何度かふと見せる優しい笑顔がとても印象的だった。