東映黄金期の実録ヤクザ路線へのオマージュにあふれる映画「孤狼の血」(5月12日公開)の大阪試写会が26日、大阪・梅田ブルク7で行われ、主演の役所広司(62)、松坂桃李(29)、白石和彌監督(43)が舞台あいさつに立った。

 役所と白石監督は「最近の日本にない、元気のいい映画」と声をそろえ、松坂は「魂がこもった作品というのは、こういうのを言うんだと思います」と訴えた。

 広島・呉を舞台に、ヤクザとずぶずぶのマル暴刑事・大上章吾(役所)と相棒のエリート刑事・日岡秀一(松坂)を描く。故深作欣二監督が名作「仁義なき戦い」などで用いた手法をちりばめ、暴力描写を押し出しつつ、刑事の正義のなんたるかを感動的に訴える。マスコミ試写などの評判も圧倒的によく、3人は作品に絶対的な自信を持っているようだが、女性受けだけには不安を感じている。

 白石監督は「女性の方は最初の3分乗り切ってもらえれば…。絶対に喜んでもらえる」。またかつて大阪で主演作「シャブ極道」を撮った役所は「こういう映画は大阪に合うんです」と笑いながら力説。「見てくれた女性ライターの方々も感動しています。なので女性は最初の5分を何とか我慢してくれたら…」と女性客にお願いしていた。