草なぎ剛(43)が来年公開の映画「まく子」(鶴岡慧子監督)で、“ちょっとダメなお父さん”を演じる。クランクアップの日に現場を取材させてもらったのだが、その日は、映画「クソ野郎と美しき世界」公開日の翌日という何とも慌ただしい撮影だった。また、当時は、現在公演中の舞台「バリーターク」の稽古を連日こなしていた時期でもあった。

 撮影前日、午前中に仙台で「クソ野郎-」の初日舞台あいさつ、そこから夕方には都内で舞台あいさつ。夜、関係者らとの打ち上げに参加後、深夜に群馬の四万温泉に移動して映画のクライマックスシーンの撮影に臨んだという。前日のステージ上での華々しい印象だが、この日は一転し、年相応の“おじさん感”を出しながら渋い演技で見せた。

 一方、当時、稽古をしていた舞台「バリーターク」を先日、鑑賞してきた。「クソ野郎-」とも「まく子」とも違う、約100分の上演時間中、セリフをしゃべりっぱなしで、舞台を所狭しと動き回る若々しくエネルギッシュで、体温が伝わってくるような舞台だ。ストーリーは難解だが、最後までくぎ付けにされた。「難しい役をなんなく演じている。役者として成長している」などと絶賛する舞台関係者も多い。

 今年の年頭に「今年は攻める」と誓っていたが、まさしく有言実行中といって良いだろう。次はどんな作品に出演し、どんな演技を見せてくれるのか、今後が楽しみだ。