おっさん同士の純愛を描き、話題のテレビ朝日系「おっさんずラブ」(土曜午後11時15分)の撮影がクランクアップを迎えた。

 主人公の春田創一を演じた田中圭(33)は、春田に恋する“ヒロイン”黒澤武蔵部長を演じた吉田鋼太郎(59)が最初にクランクアップを迎えると、花束を贈り号泣。「オールアップで泣いたのは『WATER BOYS』(03年)以来。しかも、人のクランクアップで泣いたのは初めて…」と吐露した。

 吉田は「ヒロイン役ということで、最初は非常に責任重大だと思いました。僕が何か間違った演技をしてしまうと、とんでもなく変なドラマになる可能性があるな、と感じたからです。でも実際に撮影が始まったら、圭を愛していれば問題ない、と気づいた! 家で考えてきた演技プランも、この現場に来るとほぼ通用せず、ただただ圭に引き出してもらった芝居をずっとやっていたような気がします」と田中に感謝した。

 また黒澤と春田を奪い合った後輩・牧凌太を演じた林遣都(27)は「この撮影チームの雰囲気が大好きで、毎日帰りたくなくて…。こういう経験はこの先もなかなかないだろうなって思っていました。圭くんと出会えて本当に良かった」と、ドラマのキャッチコピー「君に会えてよかった」と重なる言葉を交え、スピーチした。そして「圭くんと2人で、こういう難しい話だからこそ…」と続けようとする中、感極まって涙した。それでも、絞り出すように「休みの日もなるべく一緒に過ごすようにしました。だからこそ、役にちゃんと気持ちを入れることができました。感謝、感謝…本当に感謝しています」と田中に繰り返し、感謝した。

 最後にクランクアップした田中は、あいさつの冒頭で「言いたいことが多すぎて…すごく、すごく幸せな環境でお芝居をさせていただいているな、と毎日感謝しながら過ごすことができました。本当に幸せな時間でした」と口にした。

 そして「『何かもう1歩踏み込んだ作品をやりたいな』と感じていた矢先に、この作品と出会い、『ここで自分がやりたいものをやれたらいいな』という思いで撮影に入りました」と、おっさん同士の純愛を描くという挑戦的であり、かつ難しい作品との出会いが、俳優人生における縁だったと示唆した。

 また「最初の方は不安もあったんですけど、信頼できるキャストやスタッフの皆さんと現場を重ねていくうちに、『どうにかなるんじゃないか』と。第1話を見て、それは確信に変わりました。今、振り返ると撮影はあっという間でしたけど、みんなでより良いものを目指しているんだなって、強く感じる日々でした」とスタッフ、キャストへの信頼を強調。そして「みんなのことが好きすぎて、みんなが優秀すぎて…! こんな現場に本当に感謝しかありません。みんな大好きです!」と作品への愛を吐露した。

 最終第7話は6月2日に放送される。27日放送の第6話では、春田(田中)が牧(林)から「春田さんと一緒にいても苦しいことばかり…別れましょう。俺、春田さんのこと好きじゃないです」と別れを告げられ、1年後に黒澤(吉田)と同居しているシーンで終わった。第7話では、そんなある日、本社から黒澤のもとに「上海を拠点とした新規プロジェクトのメンバーに、春田を指名したい」との打診が舞い込む。驚きながらも転勤を決意する春田だが、なんと黒澤が多数の人を集めてダンスなどをして結婚式を盛り上げるサプライズとして昨今、人気のフラッシュモブ大作戦を仕掛けられ、プロポーズされる。

 その話はまたたく間に、春田と1年前に別れた牧や、春田に好きだと告白した幼なじみの荒井ちず(内田理央)、黒澤の元妻・蝶子(大塚寧々)や牧の元彼・武川政宗(真島秀和)らも知るところとなる。大混乱の中、春田の頭に素朴な疑問が浮かぶ。

 「結婚って……何!?」

 考えても考えても、明確な答えは見つからない一方、春田を取り巻く人々の胸にも、さまざまな思いが交錯する。

 まっすぐな恋にときめき、戸惑い、時に涙しながら、それぞれの道を進んできた登場人物たち。33歳ダメ男・春田が、未曽有のモテ期を経て、最後に選ぶ答えとは…全ては6月2日の最終話で明らかになる。