日本テレビ系「笑点」の司会などで知られた落語家桂歌丸(かつら・うたまる)さん(本名・椎名巌=しいな・いわお)が2日午前11時43分、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患のため横浜市内の病院で亡くなった。81歳。肺気腫などで入退院を繰り返し今年4月から入院していた。通夜・葬儀は近親者で営む。喪主は妻冨士子(ふじこ)さん。11日午後2時から椎名家・落語芸術協会合同のお別れ会(告別式)を横浜市港北区菊名2の1の5の妙蓮寺で行う。

<桂歌丸さんアラカルト>

 ◆生家は遊郭 横浜の「富士楼」で、幼い時から女郎さんを見ていたため色気のあるはなしが得意だった。

 ◆中学3年で入門 小学生のころから落語家を目指し、自習時間に落語を演じた。

 ◆セールスマン 二つ目時代に師匠古今亭今輔に破門され、ポーラ化粧品のセールスマンに転職。営業成績も良く「その時の営業トークが落語に役立った」。

 ◆妻は冨士子さん 落語や大喜利で恐妻として登場するが、おしどり夫婦だった。4歳上で、師匠から違う女性を勧められたが、以前からの知り合いだった冨士子さんとの愛を貫き、2人の子どもに恵まれた。

 ◆「笑点」メンバー 二つ目時代に立川談志さんの推薦で「笑点」レギュラーになった。談志さんが亡くなるまで、その恩義を忘れなかった。

 ◆「笑点」名物 歌丸さんの名フレーズと言えば、「1度でいいから見てみたい。女房がへそくり隠すとこ」。故三遊亭小円遊さんとの罵倒合戦や、6代目円楽との嫌みの言い合いは、面白くするための歌丸さんの演出だった。

 ◆釣りが大好き 歌舞伎鑑賞、写真撮影、化石集めなど多趣味だが、足腰が弱るまでは釣りに熱中。夏は渓流釣り、冬はワカサギ釣りに通った。