上方落語を中心とした演芸場「神戸新開地・喜楽館」が11日、オープンし、同演芸場を第2の拠点とする上方落語協会新会長の笑福亭仁智(65)、桂米団治副会長(59)らが、神戸の新開地商店街をパレードした。

 仁智、米団治らは同館の名誉会長に就いた桂文枝(74)とともに、こけら落とし公演の口上に臨み、仁智は「今日は(桂)歌丸さんの告別式…あれ? お別れ会? あれ? ま、どっちでもええわ。それと、重なりまして」とあいさつ。

 続く米団治は、戦後初の上方定席「天満天神繁昌亭」が06年に開館した際、故桂歌丸さんを「三遊亭歌丸」と紹介した失敗談を明かした。

 「思い起こせば12年前、(父の故桂)米朝が骨折しまして、こけら落としの司会を私が務めたんですが、桂歌丸さんを三遊亭と言ってしまいまして」

 その後、歌丸さんが「桂だよ」と返し、これに米団治が「え? それ(頭部の)カツラですか」と応じて、爆笑を奪った思い出ばなしを披露した。

 仁智、米団治と、2人そろって、天国に旅立った大先輩・歌丸さんの力を借りて、客席をわかせ、米団治は「あれが昨日のことのように思えますが、歌丸さんの寿命を縮めた責任を感じております」と重ね、爆笑を奪った。

 また、開館セレモニーには井戸敏三兵庫県知事、久元喜造神戸市長らも出席。井戸知事は「喜びのスタート 今日から楽しまん 往時を越える にぎわいの館」と、得意の句をよみ、新会長の仁智も負けじと対抗。俳人松尾芭蕉にならい「喜楽館 ああ喜楽館 喜楽館」とうたったが、集まっていたファンから失笑を買い、進行役を務めていた桂きん枝(67)から「もう、ええわっ」と突っ込まれていた。