タイの洞窟からのサッカー少年救出劇を受け、米プロデューサーらが映画化に名乗りを上げ始めた。権利獲得に向けた動き、ハリウッドの投資家や俳優の争奪戦も過熱しそうな様相だ。米メディアが11日までに報じた。

 勇気あるサッカー少年、流れ込む大量の雨水、世界中が見守る中での救出劇、そして助け出した英雄たち-。USAトゥデー紙は、ハリウッド映画にうってつけの要素が詰まっており、飛びつかない業界関係者はいないとの見方を示した。

 同紙によると、現場近くで推移を見守ってきた米プロデューサーのマイケル・スコット氏は世界的ヒットを予想。「2週間にわたり洞窟に閉じ込められた少年らの物語は第一級の監督や俳優を引きつける」と映画化に強い意欲を見せた。

 同氏は、2009年に旅客機が不時着したが犠牲者ゼロだった「ハドソン川の奇跡」を扱った映画と同様、タイの生還劇も「人間が関心を抱く真実の物語」を伝えることができるとしている。

 米メディアによると、スコット氏らのチームは、救出に当たった潜水士や少年の家族らの一部にインタビューを実施済み。ほかにも救出劇の記憶が新しいうちにとプロデューサーが投資家や俳優の獲得に動いており、テレビドキュメンタリーや著作の動きもあるという。