女優の松本穂香(21)がヒロインを演じるTBS系連続ドラマ「この世界の片隅に」(日曜午後9時)の第3話が29日に放送され、平均視聴率が9・0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことが30日、分かった。

 視聴率は初回から10・9%、10・5%だった。

 同ドラマの原作は累計120万部を突破した、こうの史代氏の同名漫画。太平洋戦争中、広島県呉市に嫁いだ松本演じるすずが、夫の松坂桃李(29)演じる北條周作と懸命に生き抜こうとする姿が描かれる。

 戦時中の話ということで松本は「つらいとか重いという印象がありましたが、このドラマは普通に生活している人たちのお話。笑えるところもたくさんあるし、明るくて前向きです」。

 そして、「私自身、これまで戦争を別世界の出来事のように漠然と捉えていましたが、そうではないことを今回知りました。ぜひ多くの方にこのドラマを見ていただきたいです」と呼び掛けている。

 第3話の内容は、昭和19年6月のある深夜。呉に初めて空襲警報が鳴った。北條家ではすず(松本穂香)・周作(松坂桃李)夫婦はじめ家族全員が恐怖とともに跳び起きた。呉の街も徐々に戦争の色が濃くなり、北條家・刈谷家と合同で防空壕(ごう)を掘ることに。そんな状況ではあるが、すずはいまさら周作がかっこよくて仕方がない。

 すずは、径子(尾野真千子)の娘・晴美(稲垣来泉)とアリを観察しているうちに誤って砂糖を水がめの中に落としてしまう。砂糖は8月から配給停止になる高級品。しかもその一部始終を義母のサン(伊藤蘭)に見られていた。心の底からどんよりするすずに、サンはヤミ市で砂糖を買ってくるよう自分のへそくりを渡す。

 ヤミ市で砂糖を買ったすずはその値段に驚き、改めて後悔する。そして家に向かって歩いているつもりが、いつの間にか見知らぬ場所に迷い込んでいた。帰り道を通りすがりの人たちに聞くが、誰もが知らんという。途方にくれたすずはリン(二階堂ふみ)という女性に声をかけられる。