俳優の伊勢谷友介(42)が、亡くなった俳優津川雅彦さんが生前、安倍晋三首相を一喝したというエピソードを明かした。

 伊勢谷は8日更新のフェイスブックで、自身が監督を務めた映画「セイジ -陸の魚-」に出演した津川さんをしのび、「一緒にお仕事させてくださったご縁で、その後勉強会なる会を度々催してくださり、毎度変化に富んだテーマを、専門家を通して役者も学ぶ機会がないとと、我々後輩役者に稀有な機会を作ってくださった。その度に出席者はお食事までご馳走になってた」と振り返った。

 その会に「ある日当時の野党で、今の政権政党である自民党安倍さんもいらした事があった」という。津川さんは、安倍首相が第1次政権で退陣した後、12年の自民党総裁選出馬を前に、安倍氏を再び総理の座に押し上げようと、民間人の有志による支援グループの発起人に名を連ねるなど、親交があった。

 伊勢谷はその会で安倍首相に、当時報道されていた、使用済み核燃料の貯蔵施設をモンゴル国内に建設するという日本・米国・モンゴル3カ国による構想について「未来に遺恨を作るような計画はやるべきではない」と提言したという。「もちろん安倍さんは口を噤んでしまう事になったのだが、当時既に首相の座を1度射止めた人である。知らないはずがない。そこで津川さんが『疑問にしっかり応えなさい』と一喝されたのを強烈に覚えている」とその時のやりとりを明かした。

 伊勢谷はそうした津川さんに「役者としても、監督としても、男としても、1人の人間としても、形とらわれる事なく考えて生きて行動され影響を与えてきたこと、甚だ尊敬の念を覚えます」とつづり、「またお会いしたかったです。ご冥福をお祈りします」と追悼した。