俳優堺雅人(44)が11日、大阪市内で、日本語吹き替え版で声優を務めた米映画「プーと大人になった僕」(マーク・フォースター監督、14日公開)の舞台あいさつに出席した。

NHK大河ドラマ「真田丸」(16年)で主演した堺は「大河ドラマでは大阪城が職場でした」と話すほど、大阪には愛着がある。あいさつの冒頭では、近畿地方を横断した台風21号の被害を気づかい「ほんと、台風、たいへんでしたね。この映画を見て、少しでもゆっくりした時間を過ごしてください」とエールを送った。

同作はプーさんと大親友のクリストファー・ロビンが「100歳になっても、きみのことは絶対に忘れない」と約束を交わして別れた後、大人になり奇跡の再会を果たす。妻子を持ち、ロンドンで仕事に多忙な日々を送る主人公がプーと再会し、忘れていた「本当に大切なもの」を思い出す物語。

劇中ではプーさんのなにげない一言に主人公が励まされるシーンもある。印象に残る言葉について堺は「好きな言葉は『何もしないのが大事だ』。分かったような、分からないような…。すごくいい言葉を言っているような。『何もしないのが最高の何かにつながるんだよ』。なにか演技にもつながるような言葉ですね」と振り返った。

プーさんの言葉の深みについて「プーさんはすごくかわいらしい姿をしているけど、お寺の和尚さんのような、お茶の先生のような、ちょっと抜き差しならない言葉をふっと投げかけてくる。邪念にまみれた大人はハッとする」と話した。

関空は台風21号の影響による高潮で4日に滑走路やターミナルビルが浸水、全面閉鎖となり一部が停電した。現在、関空は一部再開したが、全面再開には時間がかかる。大阪ではいまだに停電が続く地区もある。最後に堺は「大阪は生命力があふれるイキイキとした街。大阪には元気でいてほしい」と呼びかけた。