V6岡田准一(37)が28日、都内で行われた主演映画「散り椿」(木村大作監督)の公開初日舞台あいさつに出席した。

初日を迎えた感想を聞かれ、岡田は「初日というのは、すごく僕たちにとっては大きなことで、皆さんに足を運んでお越しいただけるといううれしさを感じています。大作さんと今日を迎えられるというのは、すごくうれしく思っています」と木村監督のほうを向いた。木村監督の目に涙が浮かんでいるのを見ると、「感極まってらっしゃいますね。今日はよろしくお願いします」と続けた。

西島秀俊(47)黒木華(28)池松壮亮(28)とキャストがあいさつした後、木村監督も初日の心境を聞かれた。しばらく黙った後、両手を挙げて「わーっ!」と叫んだ。「泣きそうになっちゃった」と照れ笑いした後、深呼吸して「今日は本当にありがとうございました。来年80になる男が、皆さんを見て感動しています。よろしくお願いします」と声を震わせた。

木村監督の涙を見て、岡田ももらい泣きした。右手で何度も涙をぬぐった。「大作さんの…すみません。あの…。なんか。すみません」と言葉を絞り出した。西島からハンカチを渡され、あふれる涙をふいた。「ともにやれてよかったです。大作さん、ありがとうございます」と感謝。「人生をかけてここに立っているっていうのを、現場でも感じていたし、映画ってこうなんだなっていう。1本1本、人生をかけて撮られている背中を見せていただけたと思いました」と話した。

撮影を振り返って、「大作さんは、最後のカットを撮った時に倒れられて。お堂みたいなところで。本当に、変な話、このまんま…」と明かした。木村監督は「全ての撮影が終了するということで、それまでギャーギャー言っていた自分が、気分が悪くなって。ヤバいと思って、お堂のほうに行って、汚い話なんですが、吐いちゃったんですよね。そしたら茶色だったんで、血だと思ったんです」と振り返った。

木村監督は「これでいよいよ終わりだと思って、すると確実に新聞に大きく出るんで、ヒット間違いなしだ、それも悪くないな、って思って、寝ころんじゃったんです」と続けた。「でも、そこでユンケルの高いやつを2本、持ってきてくれたんですよ。それを飲んだら、けろっと治っちゃった」とエピソードを明かした。

池松は「なんかこれが(木村監督の)遺作みたいな流れになってますけど」とジョークを飛ばした上で、「僕はまだ撮ってほしい」と話した。「だから、この作品がお気に入りにならなかった方も、いい感じに宣伝していただかないと、本当に遺作になってしまうかもしれないので、よろしくお願いいたします」とアピール。木村監督の撮影技術を絶賛した上で、「もし遺作になった時のことを考えると、いろいろデータで残しておいてほしいですね」と話し、笑いを誘った。