木村大作監督(79)の時代劇映画「散り椿」(岡田准一主演)が、9月28日に公開された。週末の興収ランキングは邦画実写作品でナンバーワンと、順調な滑り出しだ。

79歳の木村監督は、作品を幅広い層にPRすべく、8月27日からインスタグラムを開始した(@chiritsubaki.daisaku)。舞台あいさつや取材で一緒になったキャストとの自撮りや、キャンペーンで回った各地の写真など、1カ月間で100以上もの投稿があった。最初は自撮りの仕方も分かっていなかった木村監督が、次第に“インスタ慣れ”していく様子は、記者もスマホ越しに楽しませてもらった。

SNSといえば昨年の元日、当時84歳だった俳優仲代達矢(現在は85歳)が、映画「海辺のリア」の宣伝をかねて、ツイッターを始めたことも記憶に新しい。宣伝期間が終わった現在は作品の公式ツイッターになり、当該ツイートも消去されてしまったが、約半年間で1000回近くツイートをしていた。

戦前生まれのシニア世代とSNSは、結びつきづらい印象もある。そこを融和させることによって、新しいファン層獲得が期待できるし、SNSに挑戦する側にとっても、若者の視点や文化を取り入れられたりと、メリットがあるのだろう。

とはいえこうした映画の宣伝には、「やりつくしてしまった感」があるのも現状だ。「シニア世代のSNS挑戦」というのは、おもしろい視点だったと思う。次はどんな斬新な宣伝が登場するのか、楽しみだ。