NMB48を結成から丸8年と27日けん引してきた絶対エース、山本彩（25）が4日、NMB48劇場で卒業公演を行い、アイドル活動に終止符を打った。

アンコールは白いドレス姿で登場。ダブルアンコールで選んだのは、成長しての再会を誓う「約束よ」と、オーラスはグループ初のオリジナル曲「青春のラップタイム」だった。

セレモニーには、メンバーから花の冠や、カメラ撮影が趣味の東由樹から「特製写真集」、メンバーの寄せ書きなどを贈られた。あいさつ冒頭、声が震え、涙がポロリ。「この劇場にもう来なくなると思うと、寂しい気持ち。この8年、NMB48は私の体の一部だったので」などと、深い愛着を口にした。

しんみり空気を嫌って、途中には「私の事を忘れないでくださいね。（歌で）私を忘れてって歌ってるんですけど、違うからっていつも思ってる」とおどけてみせ、笑顔を取り戻した。

この日は、劇場に入れなかった大勢のファンが場外にあふれ、映像配信サービスで視聴していたファンも大勢いた。

終演し、メンバーが退場した後も、山本は単身ステージに残り「意外に、みなさん（客席）に涙が見えなかった。いい意味で寂しくないのかなと勝手に思っています」。こう感謝の言葉を残しステージから消えた。

その後、劇場ロビー壁にかけてある写真を手に、取材に対応。「やりきったなという気持ち」。すがすがしい表情でこう言いつつも「もうここに来ないというのは実感がないです」との思いも打ち明けた。

前日は気持ちが高ぶり、公演の確認事項を反復するうち「午前6時になっていて（同8時に起床で）ほぼ寝れずでした」。今後のソロ活動へ向けては「シングルの発売。そしてひとつずつライブを重ねて、アリーナでのライブをしたい」と意気込んだ。

また、この日の公演では、山本が最後に、チームNの誕生時から務めてきたキャプテンの座を、NMB48ファンゆえに加入した5期生の小嶋花梨（19）に託すことも発表された。

誰よりもグループ愛が強い山本は、自らが8年背負ってきたグループ全体、及びチームNキャプテン後継を決めるにあたり「キャプテンを私以外の人間にたくすのは心苦しかった」と思い悩んだ。

それでも、小嶋に決めた理由を「何よりも、NMB48中心で生きてくれている」と説明。小嶋は加入前、NMB48と山本にあこがれ、追っかけをしていた。ファンとしての愛が高まりすぎ、16年6月に5期生として加入した経緯がある。

この日も、小嶋は「オタク代表として、これからもずっと彩さんを応援したいので、（自身の）部屋に彩さんコーナーを作った」と吐露していた。先輩からの指名を受けた小嶋は「NMB48のためなら何でもできる。私は私だけにしかできないキャプテンになります」と誓い、ファンからも拍手を浴びていた。