第60回日本レコード大賞が30日、東京・新国立劇場で発表され、乃木坂46が「シンクロニシティ」で大賞を2年連続受賞した。CMやファッション誌など活躍は多岐にわたり、若い世代を中心に一般層にまで認知を広げた1年だった。

乃木坂46が、60回目・平成最後の「ダブル節目」のレコード大賞に輝いた。発表の瞬間、白石麻衣(26)は隣の西野七瀬(24)を抱き寄せ、涙した。笑顔をはじけさせた西野の瞳にも、光るものがあった。白石は「まさか大賞を取れるなんて思っていなかったので、感謝の気持ちでいっぱいです」。西野は「今年一番うれしいです!」と喜んだ。「シンクロニシティ」を披露した後、メンバーがステージ中央に集まり、泣き笑いの歓喜の輪ができた。

2年連続の栄冠は、昨年の「インフルエンサー」に続いて、14、15年に大賞に輝いた三代目 J Soul Brothers以来。AKB48も11、12年に連続受賞している。乃木坂46はこれで名実共に、国民的人気グループの地位を確立した。キャプテン桜井玲香(24)は「昨年大賞をいただいたのが誇りになり、今年も素晴らしい1年になりました。さらに飛躍したいです」と感謝した。

一般層に幅広く認知を広げた1年だった。グループ・個人含めて20社以上のCMに出演。発売した3作のシングルは全てミリオンセールスを達成した。今月19日に発表された音楽ソフトトータルセールスランキングでも、103・3億円で2位。実績は十分だった。

中でも白石は、先月「日経トレンディ」の「2018年のヒット人」に選ばれた。今月3日にニホンモニターが発表した「2018タレントCM起用社数ランキング」でも18社で1位となった。セカンド写真集「パスポート」は、累計30・5万部を売り上げる大ヒット。勢いに乗るグループを力強くけん引した。

今年はオリコンの「音楽ファン2万人が選ぶ 好きなアーティストランキング」で3位になった。昨年の19位からジャンプアップ。10代では1位、20代でも嵐に続いての2位と、若者からの人気は絶大だ。西野は今日31日をもって卒業するが、今月お披露目された4期生にも有望株がそろう。勢いを持続し中高年まで浸透すれば、来年はいよいよ乃木坂46が社会現象となるかもしれない。【横山慧】