ブルーリボン賞の授賞式が先日都内で行われた。在京スポーツ7紙の主催なので、この日は取材の立場から運営に回る。日頃イベントを切り盛りされる方々の苦労やハラハラを嫌でも実感させられることになる。

司会は前年主演男女優賞のコンビにお願いするのが恒例だ。今年は阿部サダヲ(48)と新垣結衣(30)という他ではなかなか見られない組み合わせだった。

阿部の発案でお互いを「ユイ」「サダヲ」と呼び合うことになる。不自然さ、ぎごちなさが笑いを誘い、司会慣れしないと言いながら、阿部はさすがの自己演出で終始ボケまくった。

驚かされたのは、くしくもツッコミ役となった新垣の手際の良さだ。司会のために受賞者の出演作をすべて見てきたのだろう。作品の内容や演技への的確なコメントにはっとさせられた。

主演男優賞の舘ひろし(68)とのやりとりでは12年前のドラマ「パパとムスメの7日間」での共演エピソードを持ち出して大いに盛り上げた。ビジュアルはもちろんだが、ガッキー・ボイスは聞きやすく耳に優しい。MC力は高い。

「昨年、賞をいただいたときはそれほどでもなかったのですが、この1年、さまざまな作品を見せていただいて、映画がどんどん私の中で大きくなってきました。もっともっとやらせていただきたい」と映画人を歓喜させるコメントもさりげなく織り込まれた。

昨年の「ミックス。」までは映画賞と縁のなかった新垣の意識が受賞から大きく変わったということだろう。今年で61回。ブルーリボン賞の意義を改めて実感させるコメントでもあった。【相原斎】