元SUPER☆GiRLS宮崎理奈(24)の主演プロデュース公演「不思議の国のカンタータ」が、13日から東京・渋谷のCBGKシブゲキ!! で初日を迎える。アイドル戦国時代を生きた経験豊富なキャストたちが顔をそろえる。

宮崎をはじめ、元SUPER☆GiRLSの渡邉ひかる(24)、元PASSPO☆の増井みお(24)、元乙女新党の其原有沙(17)ら、アイドルグループ出身者がズラリ。9nineの吉井香奈恵(25)も特別出演する。

SUPER☆GiRLS1期生の宮崎と渡邉は、約8年半の活動を終えて今年1月に卒業した。増井は昨年9月に解散したPASSPO☆で09年間から9年間活動。14年に乙女新党に加入したキャスト最年少の其原こそ、グループ活動は約2年間(16年に解散)だったが、10年から8年以上9nineで活動している吉井も含めて、アイドル活動歴は長い。

「MAX!乙女心」などの人気曲があり、一時はNHK紅白歌合戦出場もささやかれていたSUPER☆GiRLS、11年5月のメジャーデビューシングル「少女飛行」で女性グループ初のデビュー曲オリコンランキング初登場1位を記録したPASSPO☆など、どれもアイドル戦国時代でも存在感を発揮したグループだ。

ただ、一時は勢いがあったグループでも、モーニング娘。やAKB48、乃木坂46などに比べると、総合的な知名度や人気ではどうしても見劣りしてしまうのも事実だ。アイドルファンだけでなく、一般層まで認知されたかというと、正直、難しいところだろう。

「不思議の国のカンタータ」では、そんなアイドル界の酸いも甘いもかみ分けたメンバーが躍動する。2部構成で、1部は演劇、2部はライブ。「演劇×音楽の新感覚エンターテインメント!」とうたっている。

ライブパートの稽古を取材した際も、メインキャストたちのパフォーマンスに驚かされた。SUPER☆GiRLSで磨かれた宮崎のキレのあるダンスや表現力は一級品。渡邉も負けじと激しく踊る。増井が独特の柔らかいしぐさで魅了し、其原はういういしさ全開の笑顔を振りまく。吉井も現役バリバリのしなやかなダンスを披露する。

「アイドル戦国時代」の中でそれぞれのグループで培ったパフォーマンス力は、だてではない。東川真之プロデューサーは「みんな第一線で活躍したアイドルばかりですから、1つの作品で2度おいしい、見応えのある舞台になること間違いないですよ」とアピールする。

メインキャストの6人で唯一、アイドル出身者ではない劇団4ドル50セントの本西彩希帆(20)は乃木坂46の大ファンで、「最初、アイドルができると聞いたときはうれしかったです」というが、稽古を通じて、アイドルの難しさを痛感したという。「実際にやってみて難しさが分かりました。しぐさとか、表情とか。やっぱり笑顔が大事だし、劇団で歌うのとは全く違う。アイドルの皆さんって、すごいなと思いました」と話す。

本西も、プロ野球オリックスなどで活躍した父親の本西厚博氏(56)譲りの身体能力をいかしたダンスでひけをとらず、東川プロデューサーからも「真面目に頑張ってくれるタイプで、歌も特徴的でうまい」と評価されている。メインキャストの中で芸能界では一番後輩だが、今ではとけ込んでいるという。

「みんな見た目が若いんです。最初、増井みおさんに『いくつ?』って聞いてしまって…。かわいいので。同い年くらいだと思っていました。皆さん優しくしてくださいます。ここで得て吸収したものを、劇団に持ち帰りたいです」

群雄割拠の「アイドル戦国時代」でもまれた「戦士」たちから、次の世代や、別の分野のタレントへ。グループから卒業しても、グループそのものが解散しても、アイドルたちのスキルや経験は消えることはなく、どこまでも受け継がれていくのかもしれない。