今月から放送のNHK連続テレビ小説「なつぞら」(月~土曜午前8時)で、ヒロイン奥原なつの少女時代を演じる子役・粟野咲莉(さり=8)の演技が、泣けると話題だ。9日、日刊スポーツの取材に応じた。

戦争で両親を亡くし、父の戦友の養女として引き取られ、兄妹が離ればなれになってしまう中、北海道の牧場で必死に周囲に受け入れられるように努力する姿を好演している。

「なっちゃんは、明るくて元気で頑張り屋さんで我慢強い。本当に偉い子だと思います」

どこか大人びた表情を見せたかと思えば、天真らんまんな表情も見せる。そのギャップと、けなげな姿に涙する視聴者も多い。

「お芝居の中で、さらにお芝居をするというか…。大人っぽく振る舞う感じは難しかったです。私の演技で泣いていただいていると聞いて、これからの勇気になりますし、うれしいです」

第4話(4日放送)で、草刈正雄(66)演じる牧場主に町に連れられ、2人きりでアイスクリームを食べて涙するシーンは、志願して撮り直しもした。

「もうちょっと頑張れるって思ったんです。その時は、頑張り屋のなっちゃんが入ってきてたのかな(笑い)。草刈さんも『僕ももう1回やりたい』と言ってくださって、感謝しています。草刈さんは頑固で厳しい役なんですけど、普段は太陽のように見守ってくれて、近くにいると安心します」

子役として13年頃から活動し、16年にはNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」で、芳根京子演じるヒロインの娘役を演じたことも。今回は、約250人の中からオーディションで選ばれた。

「お母さんから話があるって暗い感じで言われたので落ちたと思ったんですけど、受かったと聞いて『えーっ!!』ってビックリしちゃいました」

北海道で昨年夏に、約1カ月間撮影した。牛の乳搾りをするシーンのために、撮影前から練習にも励んでいたという。

「自分の親指を乳に見立てて練習したりしました。せりふにあるように、指を数えるようにやってみたらうまくできて、本番でも練習の成果が出せました」

撮影後には、草刈らと手作りのアイスも作ったという。

「牛乳を冷やして作って、フルーツやチョコをのせたりしました。それを(夏休みの)自由研究として発表もしたんです。周りの友達は『何で?』という感じでしたね(笑い)」

なつを演じる広瀬すず(20)は、憧れの存在でもある。会う度に「ちゅるちゅるなっちゃん」と呼ばれている。広瀬は9日、「LINE LIVE」で粟野について「ほんとにかわいい! もう…吸いたい。スゥーッて」とメロメロの様子だった。

「すずちゃんにそう言ってもらえるなんて夢みたい! うれしいですし、いつか共演してみたいです。女優さんは、いろいろなことが経験できて、いろいろな自分になれるのは、不思議な感じがするんですけど楽しいです。すずちゃんのような、たくさんの作品に出られる女優さんになりたいです」と屈託なく笑った。

◆粟野咲莉(あわの・さり)2010年(平22)6月24日、東京都生まれ。13年頃から子役として活動し、16年のNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」で芳根京子演じるヒロインの娘役や、17年の映画「DESTINY 鎌倉物語」など出演。森永乳業「MOW」のCMにも出演中。広瀬をはじめ、17年にNHKBSプレミアム「男の操」で共演した川栄李奈(24)も憧れの1人。趣味はダンスでTWICE好き。好きな教科は図工。O型。