女優八千草薫(88)が26日、千葉・森の墓苑で、理事を務める日本生態系協会が手がける「昆虫の家」除幕式に出席した。2月9日の休養宣言以来、初めてのイベント出演。

5月にも関わらず30度を超える気温の中、元気そうな足取りで登場した。「今日は本当に良いお天気ですけども。昨日より少し涼しいようにと祈っていましたけど、ダメでした」とほほ笑んだ。

除幕式には、総勢70人が集まった。「こんなにたくさんのみなさまに来ていただいてうれしく思います」と感謝の言葉を述べた。

「自然は、日本では見ることがとても大事で、あまり動物のことも興味をもっていただけないのですが、今日はとてもワクワクしているんです」と続け、「自分の家にも小さな小さなビオトープ(生息空間)があるんですけど、そこにも蝶々が来たり、トンボが来たり、いろんな昆虫が来ます。だから自然はただ見るだけでなくて、中に入っていってそのなんとも言えない気持ちよさとか、そういうものをみんなに楽しんでいただけたらと思います」と約2分のスピーチをした。

その後、同席した気象予報士の森田正光氏(69)らとともに除幕式を行った。

車に乗り込むまでしっかりとした足取りで歩きながら、「まだ5月なのにね」と話した。取材陣の「体調はいかがですか」の問いかけには、聞こえなかったのか、無反応だった。

関係者によれば、先週抗がん剤治療が終了し、今は何もしない時期だという。「抗がん剤治療時期はつらそうでした」と明かした。食事制限については「むしろ何でも食べて、体力をつけてくださいとの事でした」。今後については、体調と相談して決めるが、現状は白紙状態だ。

八千草は17年末に膵臓(すいぞう)がんが見つかり、翌年1月に手術を受けた。その後一時回復し。連ドラや舞台にも出演していた。だが今年に入って肝臓への転移が発覚し2月9日、公式サイトで治療専念のため休業を発表していた。

そのためテレビ朝日系帯ドラマ劇場「やすらぎの刻~道」(月~金曜、午後0時30分~)の「道」パートのヒロイン・しの役を降板した。だが、その前に収録した27日放送の第36話には、17年放送の「やすらぎと時」で“姫”の愛称で親しまれた九条摂子役で出演する。