全国高校野球選手権の中継番組を制作するABCテレビが今夏、第101回大会から試合と試合の間に連続ドラマを放送することが27日、分かった。同局初の試みとなる。

ドラマは3年の野球部員の引退などで部員が0人になった長野・軽井沢高が舞台。1人だけ残った女子マネジャーが廃部危機を乗り越え、最後の夏に「大会単独出場」を目指す実話をベースにした1日1話(4分)の連続ドラマ「青空ふたたび」(8月6日スタート、全10話、関西ローカル)。1日4試合の場合、同じドラマが試合の間に1日3回放送される。試合が雨天中止のときはドラマも同様に“順延”される。

主人公の小宮山佑茉を演じる女優田辺桃子(19)は「実話ベースだったので、リアルすぎる青春を目いっぱい味わせていただきました。どのシーンも甘酸っぱかったし、とにかく楽しかった」と撮影を振り返った。

熱戦の合間に放送されるドラマについて「きっと当日のマウンドでは、いろいろな思いが込められた太陽よりも熱い試合が繰り広げられると思います。その合間に『涼む』ような感覚で、新たに出会うもう1つの青春を楽しんでいただけたらうれしいです」とコメント。

球児たちへ「今日という日は過去にも未来にも2度とないので、ここまで募らせてきたありったけの甲子園エネルギーを思う存分、出し切ってください」と熱いエールを送った。

プロ野球ヤクルト元監督の古田敦也氏(53)が校長先生役。ABCテレビの川添佳穂アナウンサー(28)が生徒会顧問の先生役としてドラマ初出演する。「非日常にドキドキが止まりませんでした。すごく華やかな世界というイメージがあるけれど、撮影現場はみんな真剣にぶつかり合う部活のような雰囲気。主演の田辺さんが、初心者の私のためにお芝居のための空気を作ってくださったので、自然に役に入り込むことが出来た気がします」とコメントした。

ABCテレビの赤塚欣也プロデューサーはドラマについて「夏の青空にはさまざまな思い出があると思います。高校野球の熱戦とともに、このドラマを見ていただいたみなさんにも、高校時代の1ページを思い出していただきたいと思います」と話した。

さらに初の試みについて「101回目の夏の高校野球。新たに歩む区切りの年に高校野球の新たなコンテンツを制作しました。今後、夏の高校野球中継の間にショートドラマがあるという夏の風物詩に育ってほしいと願っています」と意気込んだ。

ドラマは地上波放送後に民放テレビ局の公式ポータルサイト「TVer(ティーバー)」で配信される。