半世紀以上にわたり人気を誇るヒーローを映画化する「シン・ウルトラマン」の製作と21年公開を、7月31日、東宝が発表した。興収82・5億円を記録した映画「シン・ゴジラ」(16年)総監督の庵野秀明氏が企画と脚本を務め、同作監督の樋口真嗣氏が引き続き監督を務める。

主人公の「ウルトラマンになる男」は斎藤工(37)が演じ、ほかに長沢まさみ(32)西島秀俊(48)が出演。3人はともに「巨大生物に対抗する組織」の一員という。

出演者のコメントは以下の通り。

斎藤工 「『シン・ウルトラマン』に寄せて私に大役の白羽の矢が立ったこと以上に、この壮大なプロジェクト及び手にした脚本に至極興奮いたしました。かつて、何者でもなかった私は1度だけ、生前の実相寺昭雄監督にお会いする機会があり、前のめりに、当時の円谷プロや『ウルトラマン』のさまざまな話をうかがえたことは、全てココにつながっていたのではないかと今振り返ると思います。『ウルトラマン』への特別な思いを持たれていらっしゃる庵野さん、樋口監督とともに、若輩者ながら私の37年間を本作に注ぎたいと思います。『シン・ウルトラマン』が今の日本に、未来の日本に、必要な作品になるよう、頼もしきスタッフ、共演者の方々と高みを目指します」

長沢まさみ 「誰もが憧れる庵野さんの作品に出演できることをとても光栄に思います。『シン・ゴジラ』も劇場へ見に行ったのですが、お客さんの満足感や充実感をその場で強く感じました。今回の作品では思いがけない展開もありますが、今を生きぬくことはいつもどんな時も精いっぱいです。作品を通して少しでも多くの人の心に届くものになればいいなと思います」

西島秀俊 「世界的人気で誰もが知る『ウルトラマン』を、あの『シン・ゴジラ』チームが再集結して映画化するとお話をうかがった時の驚きと興奮がいまだに冷めません。そして、そのチームに参加できることを非常に光栄に感じています。脚本を読ませていただきましたが、ファンの方もそうでない方もきっと楽しめる一級のエンターテインメント作品になると確信しています。初めてご一緒する樋口監督のもと、誰も見たことのないウルトラマンの世界に命を吹き込む一員として、精いっぱい演じさせていただきます」

「ウルトラマン」シリーズは各年代ごとに、ドラマ、映画が作られている。円谷プロダクションの塚越隆行会長が「長きにわたり愛され続けてきたこの作品が、その原点の魅力に立ち返ります」と言うように、原点に返りつつ見たことのない世界観を目指す。

樋口監督は「新たな、でも私が物心ついたころから輝き続けているバトンを託されました。先輩たちが生み出し育ててきた、まぶしく重たいそのバトンを次につなぐ責務を粛々と努めて参る所存です」と気を引き締めている。

撮影は今後行われる。