歌舞伎俳優市川海老蔵(41)の長女堀越麗禾ちゃん(8)が、日本舞踊市川流の4代目市川ぼたんを襲名した。「市川會 三代襲名披露」の初日公演を見たが、堂々としたものだった。

まずは口上。ぼたんは「このたび父の勧め、皆さまのご賛同を得まして、市川ぼたんの名跡を4代目として相続する運びと相成りましてございます。一生懸命つとめさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます」と、よく通る大きな声であいさつした。 ぼたんは「羽根の禿(かむろ)」で、羽子板を手に赤の着物で、かわいらしくしっとり踊った。舞台を目いっぱい使って踊る大きさと、指先のしなやかさが見える繊細さがあった。緊張ぎみだった表情も、踊るにつれてどんどん伸びやかになっていった。

この公演では、海老蔵の叔母紅梅が初代市川寿紅、妹ぼたんが4代目市川翠扇を襲名した。

海老蔵は口上で「父、祖父が早くに旅立ちましたので成田屋にとって三代襲名は悲願でした。女性たちは元気です。私よりも父や11代目が喜んでいると思います」と、父の12代目團十郎さん、祖父の11代目團十郎さんに思いをはせた。

終演後のブログで海老蔵は、初日の動員数が、亡くなった妻小林麻央さんの誕生日、7月21日を思わせる721人だったことを記し、感慨をつづった。

たくさんの人々の思いが寄せられた襲名披露公演だった。