俳優西田敏行(71)が30日、大阪国際会議場(大阪市北区)で、ABCテレビ「探偵!ナイトスクープ」(金曜午後11時17分=関西地区)の1500回突破記念特番収録に参加し、闇営業問題から出演を見合わせているスリムクラブ真栄田賢(43)について、温情コメントを発した。

西田は、反社会的勢力との会合に出席した真栄田に「被害者でもある」「依頼があったら断れない」と理解も示し、番組復帰には「他の探偵も望んでいること」と言い、反省を続けた後の復帰を待ち望む思いを口にした。

真栄田は、同番組に探偵としてレギュラー出演していたが、闇営業問題が発覚して以降は出演しておらず、劇場での仕事復帰を果たした後も出演見合わせが続いたまま。この日は、過去の名作を集め、その依頼者の栄誉をたたえる「グランドアカデミー大賞」(9月27日放送分)の収録で、6年ぶり3回目の大型特番だったが、真栄田の姿はなかった。

収録前に取材に応じた西田は、真栄田と「謹慎中も随分LINE(ライン)もした」と言い、その内容は「ともかく、謹慎という今の状態をちゃんとまともに受けて、その間に、なんで自分は芸人になりたかったのか、原点を見つめて考えなさいと伝えた」。これに、真栄田は「素直に分かりましたと言っていた」そうだ。

西田は、番組復帰についても「それはもう、他の探偵も望んでいることだけど」と、自身の思いも含めてエール。ただ「こればっかりは、今度はテレビ局サイドの問題もありますし、何をして悪かったかっていうのは」と続け、反社会的勢力との接触に触れた。

この交際については「反社団体の仕事をしてしまった。落ち度があった」と、真栄田の行動に非は認めながらも「彼らも被害者だよ。依頼があったら断れない。相手を見て、受けます、断ります、じゃ、『そんな生意気な芸人いらねえよ』って言われちゃう」。闇営業へ至った背景、流れを思い、理解も示した。

番組は、昨年、放送30周年を迎えた関西の名物番組。元タレント上岡龍太郎さんを局長に見立てた進行役とし、88年3月にスタート。西田は、01年1月から2代目局長に就き、すでに初代の上岡局長のキャリアを超え、強い愛着を持つ。

視聴者の依頼を、大まじめに解決しようと探偵がロケに出る同番組。西田はすでに18年半、大阪まで原則隔週で収録に通うが、苦ではないといい「表現者としての道をずっと歩いてきた僕が、出くわしたオアシス」と表現。「これからもずっと続いて欲しい、続いている以上は日本は平和だと確信している」とも言う。

これまで「降りろと言われるまで、番組は辞めない」と言い続けてきたが、その姿勢には多少の変化も。来年以降を問われると「番組も変化していかなきゃいけない。毎回、毎回、1年ごとに、どうしようかと制作サイドと話し合っている。いつか、そういう時代もくるんじゃないかとも思う」と言い、視聴者に戻る考えがあることも吐露した。