先日、戸田恵梨香が主演し、30日にスタートするNHK連続テレビ小説「スカーレット」の第1週6話分の試写を見ました。

男ばかりの陶芸の世界で、女性陶芸家の草分けとして歩み出すヒロインを描く作品。第1週は、良い意味で、いつもの朝ドラらしい朝ドラという印象でした。平均視聴率も、近年の作品と同レベルで推移するのではないかという気がします。

第1週は子役が主人公を演じるため、2週目以降のことは予想しがたいのですが、近年の子役は、とても演技力があり、同作でも、しっかりと朝の顔を務めています。かわいくて、元気で、明るく、また、苦難にめげずに頑張る主人公をしっかり演じています。近年の朝ドラの平均視聴率は20%を少し上回るレベルで安定しています。この作品も「なつぞら」の視聴者を引き継ぎ、推測ですが、序盤は少なくとも20%前後の数字は記録するのではないでしょうか。

次に、この作品のちょっとした特徴を1つ。物語の所々に笑いがちりばめられています。試写の会場でも、あちこちから笑い声が聞こえてきました。ネタバレになるので具体的には紹介しませんが、北村一輝が演じるヒロインの父も、視聴者を笑わせてくれる設定の1人のようです。

もう1つ特徴をあげるなら、人のぬくもりでしょうか。貧しいヒロイン一家が支え合って生きる。当然、家族愛がしっかり描かれています。さらに、その家族を助ける周囲の人々の思いやりも。朝ドラファンの心をちゃんとつかむ形になっています。

視聴率が大きく跳ね上がるか、または下降するかは2週目以降の内容次第かと。少なくとも第1週は堅調なスタートとなると思います。【中野由喜】