台風19号の影響で、12日に東京宝塚劇場で上演予定だった宝塚歌劇団星組トップコンビの退団公演「GOD OF STARS-食聖-」「エクレール・ブリアン」の上演中止が決まり、11日発表された。午前11時、午後3時30分開演の2公演ともに中止。同公演は、星組トップ紅ゆずる、相手娘役綺咲愛里の在籍中最後の公演で、13日の千秋楽前日。サヨナラショー上演予定の“前楽”だった。

宝塚歌劇団は「台風19号は、12日から13日未明にかけて東日本に最接近し、広い範囲で猛烈な風が吹き、記録的な大雨となる見込みである」とし、公共交通機関の運休、乱れも考慮し、観客の安全を最優先しての措置だと説明した。

紅、綺咲は、すでに本拠地の兵庫・宝塚大劇場での公演は終えており、同東京公演千秋楽が宝塚最後の舞台。千秋楽の13日は上演予定だが、宝塚歌劇では退団公演の千秋楽、その前日にサヨナラショーが別途、上演されることが決まっており、ファンにとっては、最後の勇姿を見届けようと、想像を絶する倍率の“プラチナ・チケット”だった。

これまで、95年の阪神大震災時、当時花組トップ安寿ミラの退団公演が中止になり、サヨナラショーが開催できなかったことはあった。同公演は後日、スケジュールを組み直して、行われた。

今回は、13日公演が上演されれば、紅、綺咲ともに、ここをもっての退団が決まっており、なおかつ、5組が年間スケジュールを組み、動いている劇団だけに、代替の可能性は考えられない。

また、12日については、雪組全国ツアー「はばたけ黄金の翼よ」「Music Revolution!」のカルッツ川崎での午後4時公演、雪組の彩風咲奈が主演する「ハリウッド・ゴシップ」のKAAT神奈川芸術劇場での午前11時、午後3時公演も中止が決まった。