昨年暮れの女芸人No.1決定戦「THE W」で優勝したのがお笑いトリオ、3時のヒロインだ。決勝のブロック戦では朝ドラネタの漫才、ファイナルではポッチャリ2人がアッハ~ンとボケまくるコントと、毛色の変わったネタを並べて圧勝した。

結成は17年1月1日。関西のアイドル、つぼみ大革命の元メンバーでネタ作りの司令塔、福田麻貴(31)が濃い~顔の歌えるポッチャリゆめっち(25)と踊れるポッチャリかなで(27)を操って爆笑を生み出す。大阪出身の福田は14年につぼみをやめて上京、2回コンビを組んだが解散。「ピンでやっている時に、別のライブでゆめっちと、演劇のワークショップでかなでと出会って誘いました」。

熊本出身のゆめっちは「高校を卒業した時に人生に1回は若い時にやりたいことを勢いでと思って、大阪のNSCに入りました」。東京出身のかなでは、桐朋学園短大で演劇専攻の本格派。「演技で笑いを取って気持ちよくなって、女優じゃなくこっちだと思った」と東京NSCに入学した。

結成直後は女性3人の珍しさもあって注目されたが伸び悩み。17年に始まった「THE W」も2年連続で準決勝敗退に終わった。福田は「最初からバーンとブレークしたかったんですけど横ばい。他人のネタを見たり、自分たちのネタを突き詰めて、3回目に臨みました」と言う。「THE W」決勝直前までネタを煮詰め、直前に1本目と2本目のネタを入れ替える戦略も見せた。福田は「決勝の審査員や視聴者を考えて、漫才の方がイメージ的にいいんじゃないかと。アッハ~ンを先にやると『こいつら勢いだけ』と思われてしまう」と勝ちにこだわった。

「3時のヒロイン」という名前は「おやつの時間だけはヒロインだよ」ということから。出場芸人のレベルが物議をかもした「THE W」も、3年目にして誰もが納得できるスター候補生を誕生させた。福田は「よくも悪くも、見つけていただいたという感じ。継続してテレビに出続けて『3時のヒロイン』というキャラクターを確立したい」と言う。

将来の夢を、福田は「ドラマとか書けたら。宮藤官九郎さんとか大根仁さんとかコメディードラマを書かれる方に憧れています」。ゆめっちは「私だけ3人の中で“お笑いの地肩”が弱いので、もっといろいろ吸収していきたい。体をドンドン張って、あと歌も出せたら」。かなでは「演技ですね。ドラマに出たいですね」と言う。

まだまだ、小腹を満たすだけのおやつの時間。お笑い界のフルコースをたっぷり堪能するのはこれからだ。