「不思議の国アリス」を原作にした舞台、REBORNプロデュース第3回公演「アリス」で女優デビューする朝光ゆみ(23)が21日、日刊スポーツにコメントを寄せた。同作は4月2日、江戸東京博物館・大ホールで、初日公演を行う。

朝光はプロ野球選手として活躍後、日刊スポーツで評論家も務めた沼澤康一郎さん(享年58)の孫で、プロドラマー沼澤尚(59)のめい。同舞台のオーディションに合格し、初舞台初主演の座を自らの力で勝ち取った。

女優を目指すきっかけは中学2年の時、宝塚を見たことだった。高校1年で宝塚を受験するが、最終試験まで進むも不合格。「どうしようかと迷っていた時、やはり芸事の大学に行きたいと思い、東京芸術大学の声楽科へ進学しました。大学ではクラシック声楽だけでなく、ミュージカルやポップスも歌っていました」。

大学卒業後は、事務所に所属せず自力でオーディションに挑み続けた。「お芝居がしたくて、たくさん受けました。数え切れません(笑い)。でもミュージカルは、実は初めてでした。それまでは、映像系のオーディションばかりでしたので」。合格の知らせを「もちろん、うれしかったです」と振り返るが、同時に女優としてスイッチが入った。「いろいろな人に来てよかったと思って頂けるような作品にしたい。そのためには何をすべきかなと考えました」。

将来はどんな女優になりたいのだろうか。「誰かの人生を変えるような演者になりたいなと思います。宝塚のトップスターだった瀬奈じゅんさんの公演を見て私の人生はひっくり返って、今こうしています。だから、誰かのそんな人になりたいです」。

現在、公演に向けて稽古中。「毎日最高に楽しいです!」という。「単純にコメディー部分がおもしろいのと、キャストの方々が演出家さんに言われた事だけでなく、自分の解釈でせりふ回しや動き方を変えてくる。それによって、受ける自分も変わる。停滞のない場所で、目まぐるしく変わっていって、とても楽しいです」。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、さまざまイベントが中止もしくは延期となっている。だが、同舞台は予定通り公演されることが同日、発表された。公演決定については「さまざまな意見があると思います」と前置きした上で、「飲食、観光、エンタメその他、来てくださる方がいて初めて成り立つ物が、この世にどうしてもあります。それは、ネットではどうやっても補えないものです。そして、それらを必要としている方々は必ずいらっしゃいます。その方々のために全力で上演したいと思います」とした。

「来てよかったと思って頂ける舞台にします」と、意気込みをアピール。自らの力でつかみ取った初舞台初主演の座。女優としての第1歩を踏み出す。

◆朝光ゆみ 1996年(平8)3月27日、東京生まれ。大学卒業後、クラシックリサイタルやモデルとしても活動。中学・高校教諭第一種(音楽)の資格を持つ。趣味は囲碁、スキー、漫画・映画鑑賞、野球観戦、歴史を学ぶこと。152センチ、血液型AB。