新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、1年程度の延期が決まった東京オリンピック公式映画の監督を務める、河瀬直美監督(50)が25日、日本テレビ系「スッキリ」(月~金曜午前8時)に生出演した。

番組内では、五輪の1年程度の延期が、全競技でここまで約3割が内定した選手選考にも重大な影響を及ぼすことについても意見が交わされた。まず、競泳で五輪に4大会連続出場の松田丈志氏が、4月1日から行われる競泳の日本選手権は、五輪代表選考会の位置付けだと指摘。その上で「1年後にやりますと明言したことで、選考を考えられるようになった。競泳は、来週から選考会がある。1発選考で決めて、五輪ということだった。来夏になったということで、どうするのか、今日から会議が始まる」と語った。

松田氏の発言を受けて、河瀬監督は「私も撮影しに行こうと思っていましたけど、その撮影をどうするか今日、話し合うという感じ」と、競泳の日本選手権の取材に行く予定だったことを明かした。その上で、柔道を引き合いに「井上康生監督が泣いて、苦渋の選択で選んだ選手…全ての選手が選ばれてもおかしくないという人たちがこの1年の中で、どんな状態になるか、というのがあるのかなぁ」と、既に内定した選手を含め、大会までの各選手の行方に抱く、複雑な心情を吐露した。

また河瀬直美は「若い子たちも、本当に自分たちの問題なんだと思って欲しい」と、新型コロナウイルスの感染拡大に対し、若い世代にもっと自分のこととして考えて欲しいと訴えた。「高齢者の人たちは死亡率が高い、若い人たちは、うつっても発症しにくいということなんだけど…よく分からない情報」と注意喚起を促した。

また、奈良在住の立場から、大都市・東京で人々の接触機会が多いことの懸念を口にした。「私は奈良にいるんで(東京との)温度差が、すごいある。奈良は観光地なので、数週間前から比べると、連休中はある程度人が戻ってきているが、東京はすごく人が多く、接触率がすごい高い」と警鐘を鳴らした。