タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校108期生の合格発表が27日午前、行われ、40人があこがれの扉を開く切符を手にした。今年は、新型コロナウイルスの影響で、恒例の在校生による合格者掲示はなく、ホームページのみでの発表。競争率は21・3倍(昨年22・9倍)だった。

昨年は、国内のみで915人、一昨年は965人が受験しており、昨年の競争率22・9倍、一昨年は24・1倍。今年の合格者40人の最高身長は175センチ(昨年173・0センチ)、平均身長は166・1センチ(同165・0センチ)だった。

例年は、本科生へ進学する制服姿の生徒が合格者の受験番号を記したボードを手に、校舎外の広場で午前10時ちょうどにボードを広げて掲示。両親やレッスンの先生らと抱き合い涙しながら歓喜する合格者、自分の番号がなくハンカチで顔を押さえ泣く受験生ら、悲喜こもごもの姿があり、毎春の風物詩でもあった。

1913年に「宝塚唱歌隊」として創立された同校では、太平洋戦争の前後、混乱期をのぞき「発表を掲示しないスタイルは記憶にない」と話している。同校では3月2日に106期生の卒業式を行っており、来賓の数、出席の親族を「生徒1人に2人まで」に制限するなどし、最大限の配慮をして式典を終えていた。

108期生の入学式は4月17日に行われる。