1995年(平7)に結成され、19年のTBS系ドラマ「凪のお暇(なぎのおいとま)」の音楽などを担当した音楽グループ「PASCALS(パスカルズ)」のチェリスト三木黄太さんが4月28日、亡くなった。1日、同氏のフェイスブックが発表した。59歳だった。検視の結果、心臓に起因する突然死とみられるという。

「2020年4月28日、三木黄太は長野県伊那市にあるアートファニチャーギャラリーの工房において亡くなった状態で発見されました。検死の結果、発見日の前日27日に心臓に起因する突然死であると推測されております。生前幅広く交友関係を持っていた黄太ですが、時節柄葬儀は親族のみで執り行われました」。

三木さんは東京都立大学人文学部卒業後、1982年(昭57)にバンド、カトゥラ・トゥラーナにチェリストとして参加。以来バックサポート、セッションで多数のミュージシャンと共演し、95年にはチェロの坂本弘道・佐藤研二と共にチェロリスト集団“CotuCotu”を結成している。

音楽活動のかたわら、1986年(昭61)頃からサザビーズファニチャーのワークショップでアンティーク家具の補修を経験し、東京都立大田高等職業技術専門校で、鋳造木型と木工技術を習得。家具の製作、リプロダクションを数多く手がけ、91年2月には東京・中目黒にアートファニチャーギャラリーを立ち上げ、独創的な家具の制作を続けた。

01年にテレビ東京系「なんでも鑑定団」、02年に同系「テレビチャンピオン・家具リフォーム選手権」決勝ラウンドにも進出した。

フェイスブックは「突然の別れとなってしまいましたが、生前より親しくされたご友人の皆様、そして黄太の手によって作られた家具・遊具をご愛顧いただいているお客様には心より感謝を申し上げるとともに、ここに謹んでご通知申し上げます。なお、今後のアートファニチャーギャラリーの運営についてはまだ注文等の全容を把握しておらず、遺族で協議中です。ご迷惑をおかけいたしますが、少々お時間をいただければ幸いです」とした。

パスカルズは13年に、大林宣彦監督の映画「野のなななのか」の主題曲も担当している。