新型コロナウイルスによって、ダチョウ倶楽部リーダー肥後克広(57)にとっての恩人、志村けんさんが70歳で亡くなった。自分たちだけではたどり着けなかった場所へ導いてくれた志村さんへの感謝の思いは強い。今は舞台の台本を執筆中。こんな状況だからこそ、トリオがモットーとする「現状維持」が大切だと話した。

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志村師匠には感謝しかありません。私の力では決して行けない場所に連れてってくれました。06年4月から始まった舞台「志村魂」では歴史のある数々の舞台にも立てました。2000人の客前で演じた、ひとみ婆さんのコントは、爆笑するお客さんに喜劇人としての自信をもらいました。2000人の客前でも、いざ舞台の板の上に立つと、不思議に肝が据わるのは14年間やった志村魂、まさに志村さんの魂に触れたからだと思います。

子供の頃にテレビで見ていたセットコントもできました。大量の水がスタジオの上から落ちてくるコント等々、ドリフコントの王道もできました。憧れだったザ・ドリフターズ全員ともコントもできました。会えない人にも会わせてもらいました。20年以上の前の話ですが、「リーダー、いろんな笑いがあるけど俺たちはコントだけ真面目にやっていればいいんだよ」と言われました。「俺たち? 肥後も入っているの?」。その「俺たち」にうれしく思いました。現在私は、消えてしまった今年の舞台志村魂ですが、もしもの時に備えて、志村けん物語の台本を書いてます。

57歳で初めて志村魂座員ともリモート飲みや竜兵会のメンバーとリモート飲みも、やりました。みんな離れているけどつながっている。仲間は本当に、ありがたいです。元気が出ました。飲み過ぎました。

今は学校も全てが止まってます。だから今は、耐えて、休んで、備えての日々です。皆さんも今は耐えて、休んで、備える。まずは健康です。ダチョウ倶楽部のモットー“現状維持!”で行きましょう。(構成・川田和博)

◆肥後克広(ひご・かつひろ)1963年(昭38)3月15日、沖縄生まれ。85年ダチョウ倶楽部を結成。フジテレビ系「志村けんのバカ殿様」「志村けんのだいじょうぶだぁ」などで志村さんと共演。06年から志村さんが立ちあげた舞台コント「志村魂」には14年連続で出演。寺門ジモン、上島竜兵とともにトリオでのテレビ出演も多く、ダチョウ倶楽部として93年に「聞いてないよォ」で新語・流行語大賞の大衆語部門銀賞を受賞。179センチ。