新型コロナウイルスの影響で休演が続いていた宝塚歌劇は17日、約4カ月ぶりに兵庫・宝塚大劇場の花組公演で再開した。

花組新トップ柚香光が、本拠地お披露目「はいからさんが通る」の初日を迎えた。終演後、客席は半数以下の収容だったが、ファンは一様に「いつも以上の緊張感」「いつもと変わらない拍手、熱さ」を口にした。

座席数は、最大収容半数以下の1274人。立ち見は最大7分の1にあたるわずか20人だった。観劇したファンによると、4カ月遅れの開幕でトップの大羽根を背負った柚香は「休んでいる間に舞台を愛していることを実感しました」などと、感極まった様子で声を震わせてあいさつした。

宝塚では130日ぶりの上演。宝塚市内から来た女性ファンは「拍手はいつもと変わらない感じがしました」と話した。ダンサーの柚香が、冒頭から踊る作品に「オープニングのダンスには感動しました。前の席の方は泣いてらっしゃいました」と明かした。

別の女性ファンは「私たちにも、いつもとは違う緊張感がありました」と吐露。奈良市内から来た女性ファンは「楽しかった」と満面笑み。1月以来の観劇だったといい、「熱い、うれしいという思いが(劇場内に)充満していました」と振り返った。

会社役員の男性2人連れも、笑みを携えながら劇場を出てきた。大阪市内の男性(53)はくしくも、中断前最後となった3月9日の星組公演千秋楽も観劇しており、同行していた神戸市内の男性(53)ともども「入れる人が少ない中、来られてよかった」。

男性から見ても、タカラジェンヌ、男役は「かっこいい」と言い「レビュー、ショーが好き」と声をそろえた。

今作は、芝居の1本ものながら、フィナーレは2パターンを用意し、この日は、男役王道の黒えんびバージョン。男性2人は「男役が黒えんびで大階段を下りてくると、ゾクゾクするし、ザワッとする」と言い、130日ぶりの夢の世界を満喫していた。