女優傳谷英里香(24)が、日本テレビ系ドラマ「未満警察 ミッドナイトランナー」(土曜午後10時)で、警察学校の生徒・鷹木真琴役を好演している。

Sexy Zone中島健人とKing&Prince平野紫耀演じる主人公2人の同期ながら、18歳で男児を出産したシングルマザー、しかも原作の韓国映画「青年警察」(18年)にはないという難しい役どころを、印象的なせりふ回しなどインパクトのある演技で、作品に刺激を与えている。

傳谷に、シングルマザーを演じるにあたって試行錯誤した役作りや、1日放送の第6話から物語が急転する“逆襲篇”の魅力を聞いた。

-小学3年でバスケットボールを始め、19年からトライアスロンの練習を始めるなど、高い運動神経は警察学校での厳しいトレーニングシーンで光っている

傳谷 役柄的に特別、運動にたけているわけじゃないので、200%本気で、ガムシャラにという感じではないんです。とはいえ、厳しいトレーニングではあるので、今、ここは体力的に出来ているな、ここは意外に筋肉が足りないなと感じることはあります。走るトレーニングだったり、いろいろする撮影の中で、実は元警察官の方が生徒役の中にいるんですよ。こういう時、どうしたらいいかとかアドバイスもいただいて…でも、走る時は私が速かったりして「何で、そんなに体力があるの?」と驚いてくださいます。私から見ると、主演のおふたりは体力も筋力もある、すごいなと思いますね。

-シングルマザーの役作りで考えたことは

傳谷 役作りは、私的には頑張っているという意識は全くないんですけど、やっぱり彼女(鷹木)と、彼女の行動をどれだけ理解するか、というのは大事にしたいですし、過去に何があったんだろうと、すごく考えます。これ(過去)があったから、根の部分の意志の強さ、正義感があるんだと分かるので。

-役作りで具体的に工夫した点、苦労したところは

傳谷 シングルマザーとしての生活って、どういったものだろう…どれだけ大変か、どれだけお金がかかるのかを調べたりしました。あとは、ひと回り年が離れた姉がいて。姉はだんなさまがいる上で、仕事と子育てを両立していたんです。子育ての大変さだったり、逆に子供の愛があるから頑張ることが出来るという愛情の深さだったり。お姉ちゃんは、私には苦労した顔は全然見せなくて。ただ、節々で感じる部分はあって。「何で、そんなに頑張ることが出来るの?」と聞いたら「何より子供…自分の息子が好きだから」と言っていて、愛情に勝るものはないんだと肌で感じました。あとは、おいっ子の面倒を見る機会があったので、かわいいなぁと思ったり、ここはこう言った方が伝わるのかなぁとか。子供って一番、素直だから、こちらが気を使っていると気を使ってしまう。だから、こういう風に接したら良いなというのは、実際に勉強になりましたし、そこは演技に生きたのかなと思います。

-“逆襲篇”の見どころは?

傳谷 後半に向かって、すごくいろいろなことが展開していきます。台本を読んだ私でも、すごく衝撃的な結末に向かっていくので、視聴者の皆さんにも楽しんでいただけたら…必ず楽しんでいただけるという、確信があります。個性あふれるメインの5人の生徒役の1人ですけど、より仲間感、どうやって事件を解決していくか、よりチーム感が出てくると思います。ちゃんと1つになっていくところが、見どころかなと思います。

-新型コロナウイルスの影響でロケが休止となり、4月11日の放送開始が6月27日に延期された

傳谷 撮影も、フェースシールドでリハーサルをして本当に本番一発勝負みたいなところがあるので。カメラワークがあったりテイクを重ねる時もあるんですけど、基本的には1発でやろうねという思いは、みんな強いので。スタッフさんを含めて、1人触ったら、すぐ消毒…本当に1人1人が協力し合って出来ています。

-ドラマ、映画の撮影現場には、フェースシールドを運ぶ役どころも増えたと聞く

傳谷 フェースシールド担当も、感染者の方がより増えたので、今はいらっしゃらずに(フェースシールドなどを)ここに置くという場所が出来て、自分から置いて戻ってくるスタイルに変わりました。逆に、集中しようという思いが強くなるのかな…ポジティブな面もあると、私は思うようにしています。

-ファンにメッセージを

傳谷 「未満警察」を通して、楽しみが次の日の活力だったり元気の1つになれればいいなと思います。

難役、撮影現場での難しい状況をも、自らの糧に日々を過ごす、傳谷の目は輝いている。【取材、構成=村上幸将】