加藤清史郎(18)が31日、東京・江東区の亀戸香取神社で行われた主演映画「#ハンド全力」(松居大悟監督)ヒット祈願に出席した。英ロンドンに留学して高校3年間を過ごし、7年ぶりに長編映画に主演した加藤は、8月に19歳になるのを前に「思い出をひと言で言ってしまうと、楽しかったのひと言。等身大の高校生…リアルタイムで高校生だった時期に、高校生を演じるのもこの作品が最後」と感慨深げに語った。

「#ハンド全力」は、加藤演じる熊本地震をきっかけにハンドボールをやめた高校生のマサオが、SNSに投稿したかつての写真が思いがけない反響を呼んだことから「#ハンド全力」のアカウント名で、復興の盛り上げ役となる物語。撮影は19年4月、熊本でオールロケで行った。加藤は「春休みの期間に撮った。合宿…高校生活の延長のようで、キャスト、熊本の皆さんと一緒に作り上げた温かさも感じてもらえると思う」と振り返った。

松居監督は、留学から帰国して撮影した加藤の様子について「清史郎が久しぶりに座長をやる、そして留学から戻ってきてやるのでリハーサルから固かった。まず清史郎が楽しめば、みんな楽しくなるよと言った」と振り返った。加藤は「僕が殻を破ってやれば…と、ほぐしてくれたから、楽しい作品になった」と松居監督に感謝した。

この日、ヒット祈願が行われた亀戸香取神社は、1028年(長元元)の平将門の乱の際、追討使の俵藤太秀郷(藤原秀郷)が戦勝を祈願し、乱の平定後、弓矢を奉納して勝矢と命名した古事から「勝矢祭」が現在も守り伝えられている。歴代の天皇、源頼朝、徳川家康などの武将、剣豪塚原卜伝、千葉周作ら多くの武道家が崇敬してきた。その由来から、現在はスポーツ振興の神として全国に知られ、女子レスリングで五輪3連覇の吉田沙保里氏や、白血病からの競技復帰を目指す競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)らが参拝し、必勝を祈願して色紙を寄せている。ハンドボールを題材にした映画ということで、同神社を必勝祈願の場に選んだ。

松居監督は、新型コロナウイルスの影響で、5月から公開が延期となったことについて触れた。「5月に公開予定だった。今の時代だからこそ、元気を与えられるから、この時期に公開できてホッとした。(感染が拡大する中)映画館に行って良いのか、複雑ですが、見ていただけると元気になれると思います」と語った。加藤も「(必勝祈願は)少しだけ緊張しました。この時期に上映できるのがうれしい。今だからこそ、多くの皆さんに見ていただけたら」と期待した。