角川春樹氏(78)が最後の監督作品と公言する映画「みをつくし料理帖」(10月16日公開)の完成披露試写会が17日、都内で行われた。

角川氏は「73本の映画に関わってきたが、スタッフ、キャストがこれほど一致団結したのは初めて。コロナ渦を乗り越えて、必ず予定通り秋に公開できると確信していました」と自信をのぞかせ、神懸かりでヒットを連発した全盛期をほうふつとさせた。

映画は江戸時代の食を題材にした人情物語。ヒロイン松本穂香(23)は「監督は女性キャストには優しく接すると聞いていたので、いくら褒められてもかえって不安でした」。奈緒(25)も「確かに怖いくらい優しかった」とメインの二人はそろって笑顔を見せた。

共演者6人も顔をそろえた。

窪塚洋介(41)は「雨予報の撮影日に監督が『大丈夫、神社で雲きりしてきたから』と言ったら、ホントに晴れました。伝説を実感しましたね」。

藤井隆(48)は「薬師丸ひろ子さんを『薬師丸』と呼ぶのと同じように僕を『藤井いいよ』と呼び捨てにしてくれた。感動です」。

石坂浩二(79)は「40年以上前の『犬神家の一族』以来ですけど、映画界を元気にしたいという角川さんの気持ちはそのままです。まさかコロナが来るとは思わなかったけど、公開できて感激です」。

中村獅童(48)は「現場の怒鳴り声を聞いて、監督はまだまだ元気だと、安心しました。これを最後と言わずにもっと撮っていただきたい」。

小関裕太(25)は「いろんな意味で糧になる現場でした。撮影で使った本格的な料理もおいしかった」

若村麻由美(53)は「角川春樹の愛が詰まり、いいおだしの出た映画になりました」とそれぞれに思いを明かした。