亀山千広BSフジ社長(64)が18日、都内でエグゼグティブプロデューサーを務める映画「ジャズ喫茶ベイシー Swiftyの譚詩(Ballad)」の初日舞台あいさつに、星野哲也監督(55)と登場した。

岩手県一関市にあって世界中から客が集まることで知られる、1970年(昭45)創業のジャズ喫茶「ベイシー」とマスターの菅原正二氏(78)の生き様を追ったドキュメンタリー。

東京・白金のバー「ガランス」のオーナーでもある星野監督は「『ベイシー』を、菅原さんの生き様を記録に残したい。その思いだけでやって来た」と振り返った。

映画「踊る大捜査線」シリーズのプロデューサーとしても知られる亀山社長は「星野監督とは、元々はバーのマスターと客の関係だった。カメラを向け始めたのを聞いた時は難しいと思った。『応援はするけど、協力はできない』と言った。でも、星野監督が店を休むようになって、電話すると『一関にいます』と返事が返ってくるようになった。普通の飲み屋は、客の愚痴をマスターが聞くものだけど、マスターの愚痴を客として聞くようになった」と振り返った。

「そうこうするうちにBS(フジ)を任されるようになって、BSは視聴者の年齢層が地上波よりも高くて、文化の薫りもある。じゃあ、撮った素材を組み立て直そうかと思った」とエグゼグティブプロデューサーを務めることになった経緯を話した。

星野監督が「150時間くらい撮った。50年やっている店だから、ほんの一瞬なんですけど」という撮影済みの素材を、亀山社長は「踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ」「HERO」の編集を担当した田口拓也氏に任せた。

亀山社長は「田口君は『ベイシー』に言ったのは1度だけ。ジャズも、それほど詳しくない。でも、1歩目線を引いてくれる男が必要だった。マスターの生き様だけでなく、文化的要素も入れられたのかなと思う」。

菅原氏とは、この日電話で話した。亀山社長は「『見た』と電話がかかってきた。お元気そうでした。ジャズ喫茶のマスターを50年やっている人生の達人でもあります。ドキュメンタリーは、いろいろな発見が見る度にある」と話した。

星野監督は「若い人に見てもらいたい。ジャズは独りよがりなファンが難しくしてしまったところもあるけど、今のヒップホップと脈々とつながっている。ヒップホップと同じように(若者に)突き刺さるものがある。ジャズ喫茶は、これからも必要!」と話した。