米映画「トップガン」(1986年)で米海軍の戦闘機パイロットを演じた俳優トム・クルーズ(58)が、コロナ禍で来年に公開が延期された続編「トップガン マーヴェリック」の公開を前に名誉海軍飛行士の称号を授与されたことが明らかになった。米海軍は1949年から海軍航空隊以外の人物で海軍に多大な貢献をした人をたたえる目的で名誉海軍飛行士の称号を授与しており、過去には戦時に米軍に娯楽を供給したことなどが評価された国民的コメディアンのボブ・ホープら34人が授与されている。今回、海軍の全面協力の下で製作された「トップガン」が海軍のイメージ向上に貢献したとして、クルーズは35番目、同作でプロデューサーを務めたジェリー・ブラッカイマー氏が36番目の称号を授与されることになったという。

米ピープル誌などによると、ハリウッドにあるパラマウント・スタジオで先月行われた「トップガン マーヴェリック」の特別試写の前に授与式が行われ、クルーズは英ロンドンで「ミッション:インポッシブル」シリーズ最新作の撮影を行っているためリモートでの参加になったものの、ブラッカイマー氏は黒いマスク姿で出席し、称号と海軍の金の翼のバッジを授与されたという。これより、2人は海軍飛行士と同等の特権を得ることになった。

米海軍航空隊は、映画史上「トップガン」ほどアイコニックな航空映画はないとコメントしており、「クルーズとブラッカイマー氏は映画を通じて海軍航空隊の宣伝に大いに貢献し、空母と海軍航空機を大衆文化に取り込んだ」と授与の理由を説明している。続編でクルーズはトップガンこと米海軍戦闘機兵器学校の教官を演じている。クルーズは新作の撮影にあたって本物の戦闘機を使用することにこだわり、「トップガン マーヴェリック」では特別に許可を得てCGではなく本物の戦闘攻撃機スーパーホーネットが使われている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)