歴史小説家今村翔吾氏(36)の小説「じんかん」(講談社)の漫画版が11日、スタートした。この日発売の週刊少年マガジン50号で「カンギバンカ」(作画・恵広史)というタイトルで新連載が始まった。

“戦国一の極悪人”と評された戦国武将・松永久秀の実像に迫る歴史小説「じんかん」は今年の直木賞候補になり、第11回山田風太郎賞を受賞。題名を変えて、新たな物語として生まれ変わった。

今村氏は「原稿を初めて見た時、思い描いていた以上の躍動感ある絵に興奮しました。足し算でなく、掛け算の作品になると確信しています。若い世代にも愛される作品になればうれしいです」と話している。

タイトルの「カンギバンカ」は造語で、カン→「奸」、ギ→「義」、バンカ→「万華、挽歌(ばんか)」を掛け合わせたもの。“奸”と“義”。善悪の概念がくるくると万華鏡のように入れ替わる「人の世の価値観」を少年漫画っぽい音に置き換えた。新たな戦国英雄譚(たん)の誕生だ。