歌手HANA(14)が14日、東京・ユーロスペースで、初日を迎えた映画「音響ハウス Melody-Go-Round」(相原裕美監督)の舞台あいさつに出席した。

東京・銀座に設立され、昨年45周年を迎えた老舗レコーディングスタジオ「音響ハウス」を題材にしたドキュメンタリー作品。

HANAは、ギタリスト佐橋佳幸氏(59)レコーディングエンジニア飯尾芳史氏(60)が発起人となり制作された主題歌「Melody-Go-Round」のボーカルを担当。映画には同曲の制作過程が収められている。

新曲「Melody-」には高橋幸宏、大貫妙子、葉加瀬太郎ら名だたるアーティストが参加。当時若干13歳だったHANAは「最初は緊張したけれど、素晴らしい皆さんに囲まれて詞も曲もいい曲ができたと思います。いい勉強になりました」と緊張気味に振り返った。隣に並んだ飯尾氏から「撮影した去年は13歳で背も小さかったけど、追いつかれて抜かされそう」と声を掛けられると、照れたように笑った。

作曲を担当した佐橋氏は「稼働するスタジオのドキュメンタリーは世界で初めてだと思う。面白いと思って参加しました」。映画を先達のエピソードだけで構成するのではなく、現在進行形のスタジオを映像に収めるためのアイデアとして楽曲制作が思い浮かんだという。「打ち合わせの最中に曲を思い付いちゃって。さっさと帰らせてもらって家でデモテープを作って、その日のうちに皆さんにお送りしました」と裏話を語った。

イベントでは、この日のために同スタジオで収録した「Melody-」アコースティックバージョンを映像で披露した。佐橋氏は「彼女の声でないと、こうはならなかった」とHANAの歌声を絶賛。HANAは「すごくきれいな曲で、私がここに立てていることがうれしいです」と笑みを浮かべた。

相原監督、「音響ハウス」代表の高根護康氏も登壇した。

映画は坂本龍一、松任谷正隆、松任谷由実、矢野顕子、鈴木慶一らミュージシャンが登場し名曲誕生秘話を語るほか、現場を支えたプロデューサーやエンジニアら裏方にもフォーカス。70、80年代の「シティポップ」隆盛の裏側に迫る。