嵐とゆかりのある人々がメッセージを送る「嵐を語ろう~Arashi talk~」第6回は村尾信尚関西学院大教授(65)が、自身のことを“第2の父”と慕う櫻井について語ります。

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櫻井さんとは番組で12年、一緒でした。自分が置かれている局面で何をしなければいけないか、しっかり分かっていて、ふさわしい発言をしていました。「NEWS ZERO」では、視聴者にしっかり、真面目に、分かりやすく伝えることに徹し、僕が知らないバラエティーでは、ちゃめっ気たっぷりな言動をしていたのが印象深い。僕が知る限り、いつも自然体で振る舞い、テレビでもその表情が出ている。裏表のない人だと、みんな感じていたと思います。

非常に勉強熱心で、若手ADの勉強会「AD村尾ゼミ」に「ぜひ私も参加させて欲しい」と言って来たことがあります。情報収集を兼ね都内の外国の大使館の大使、公使とよくランチをしていたので、誘ったら「ぜひ、喜んで伺います」と1人でやってきて、英語で意見交換をしていました。

嵐のライブにも3、4回行きました。櫻井さんが一生懸命ライブをやっているのに、パフォーマンスの感想を言わずに「これだけ若い人が選挙に行くと、本当に日本は変わるのになぁ」と言ったこともあり…彼も苦笑いしていました。嵐はチームワークがすごく良く、個性的な5人なのに20年以上、和を保ったのは立派なこと。よくあれだけ、みんないい人がそろったものだと思って見ていました。

19年2月のTBS系「櫻井・有吉THE夜会」で共演した際、僕のことを「第2の父」と言ってくれました。僕も「第2の息子」みたいな感じで見ていて…紅白歌合戦などで司会をしていても人一倍「頑張れよ」って思っちゃいますよね。

嵐は20、30代を5人でやってきたから40、50代は、それぞれがやりたいことをやっていけばいいと思います。嵐は日本だけじゃなく、特に東南アジアでも人気がある。アジアの中で日本がどうするかという視点で、櫻井さんには今後、キャスターなんか、やってもらうとありがいたいですね。

コロナ禍で世界が混乱し、激しい民族間、国家間対立が起きそうな感じがしないでもない。そういう中、アジアで幅広い人気のある櫻井さんがキャスターなりメディアの立場で、とにかくみんな仲良くやっていこうよと、国と国との間の融和を図る役割を果たしてくれるとありがたい。視野を海の外に向けてもらって国際的な活躍をして欲しい。十分、出来ると思います。【聞き手=村上幸将】

◆村尾信尚(むらお・のぶたか)1955年(昭30)10月1日、岐阜県高山市生まれ。78年に一橋大経済学部を卒業し大蔵省(現財務相)入省。主計局主計官、理財局国債課長などを歴任。82年に外務省に出向しニューヨーク日本総領事館副領事。95年に三重県に総務部長として出向。02年に環境省に転出後、退官。03年に関西学院大教授に就任。06年10月から18年9月まで日本テレビ系「NEWS ZERO」のメインキャスターを務めた。

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